夢を求めるヒーロー科〈ヒロアカ／合作〉 (ページ1)

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なんてことない日ページ1

「対人訓練？？」

ここは雄英高校ヒーロー科、1年A組。
ヒーローを目指し、日々切磋琢磨する彼らの前に立つ男が言った。

躊躇うことなく天を突く金髪。
眩しいくらいに輝く白い歯。
爽やかなコバルトブルーの瞳には力が漲り、体はムキムキ。

彼の名はオールマイト。
No.1ヒーローであり、雄英高校の教師をしている。

「また対人訓練っすか？」

手を挙げた瀬呂が不思議そうに聞く。

あと1週間で体育祭が始まると言うのに、このタイミングで対人訓練はなかなか厳しいのではないだろうか。

クラス全体の疑問を感じ取ったオールマイトは相変わらずの笑顔で頷く。

「もうすぐ体育祭だからこそ、だ！来たるべく体育祭に備えて準備をしておかないといけないだろう？」

オールマイトの言うことも一理ある。

「……次こそぶっ潰す」

オールマイトの説明をぼんやりと聞いていた少女、万有は前の席のクラスメイトの言葉にその整った顔を微かに歪めた。

物騒な言葉を吐いているのは爆豪勝己。
恐らく、前回の対人訓練での因縁を晴らそうとか考えているのだろう。

後ろの席の緑谷が苦笑しているのが目に浮かぶ。

(……あとでオールマイトに言っておかないと)

爆豪と緑谷が対戦相手にならないように取り計らっておこう。

「今回の対人訓練は前とは違うぞ！ 1体1のタイマン。ヒーロー？ヴィラン？関係ない！！自分自身の力を相手にぶつけろ！！その名も――！」

「先生」

その名がなんなのか、結局分からずじまいだ。

オールマイトの言葉を遮ったのは、凛とした声。
万有が声の主を見ると、パールブルーが視界に広がった。

彼女は霧咲。よく水を飲んでいるのを見かける。
しかし、人と関わるのがあまり得意ではない万有は彼女と話したことがなかった。

「んんっ……なんだい、霧咲少女」

言葉を遮られてずっこけたオールマイトは気を取り直して霧咲を見る。

「その対人訓練はいつやるんですか？」

もうすぐ6時間目が終わってしまう。
そんなときに告げられた戦闘訓練の知らせ。

霧咲の疑問は最もだ。

「それはだね……今からさ！！」

「「――今からぁああ！！？！」」

急すぎるだろ、オールマイト……。

クラス全員の気持ちが一致した。