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翌日、照と阿部ちゃんが病院に行って。
帰ってくるまでの間、俺はソワソワしていた。
俺も、阿部ちゃんと同じことを考えた覚えがあって。
高校生のとき、学校に行っていなかった時期も、
教室に行けなくて別室登校だった時期も。
『２学期から頑張ろう』『来月から頑張ろう』って、
何度も何度も思った。
だけど、結局、頑張れなくて落ち込んで。
そんな昔の自分と、昨日の阿部ちゃんを重ねてしまって。
俺まで苦しくなっちゃって、
今日は仕事に行けずに、ベッドの中。
阿部ちゃんは、俺なんかより、ずっと頑張っている。
俺は、昔も今も、ダメなままだな……。
１人で考え続けて、ネガティブになってしまって、
ボロボロと涙が零れ始めたとき。
コンコン
急に、部屋のドアがノックされた。
みんな仕事中なのに、誰だろう。
誰だとしても、泣き顔は見られたくなくて、
頭まで布団にもぐって、寝たふりをする。
深澤「佐久間、寝てんの？」
よりによって、ふっかじゃん。
他のみんななら、返事がなければ、
ドアを開けずに帰っていくだろうけど。
ふっかはドアを開けただけではなく、
そっと部屋に入って、ベッドに近づいてくる。
布団越しに視線を感じていると、
急に布団を少しめくられた。
深澤「やっぱり、起きてる」
慌ててタオルで顔を覆ったけど、もう遅い。
佐久間「っ、なんで？」
深澤「お前の寝たふりなんか、
もう見飽きるくらい見たって」
これだから、ふっかは困る。
深澤「阿部ちゃんも大事だけどさ、俺は、
佐久間が泣いてるの見たくないよ」
佐久間「うん、ごめん」
深澤「"ごめん"じゃなくてさぁ」
思わず謝ると、呆れたような声が返ってくる。
佐久間「でもさ、阿部ちゃんの気持ち、
１番分かってるの、俺だと思うから」
深澤「そうかもしれないけど」
ふっかが、俺のことを心配してくれるのは分かっている。
深澤「ほら、これ飲んで、ちょっと寝てろ」
持ってきてくれた薬を飲んで、頭をなでられていると、
いつの間にか、涙も止まっていた。
佐久間「阿部ちゃん帰ってきたら、起こしてね」
そう、ふっかに頼んで、目を閉じた。
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作者名：アクモ | 作成日時：2023年2月1日 20時
