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俺は、元々、学校って苦手だったし、
高校生のときは、ほとんど教室に行けなくて。
学校すら行けない時期も、結構あって。
そのときは、本当に、照とふっかに助けられた。
辛いこともたくさんあったし、
結局、卒業まで教室には戻れなかったけど。
それでも、なんとか卒業できたのは、２人のおかげ。
だからと言って、阿部ちゃんの気持ちが
全部わかるわけじゃないけど。
それでも、１つだけ、間違いなく言えること。
佐久間「照は、迷惑だなんて思ってないよ」
経験者の俺が言うんだから、間違いない。
佐久間 「照、意外と人の面倒見るの好きだから」
阿部「それは、そう、だと思うけど」
阿部ちゃんも、照の従兄弟だし、心当たりはあるみたい。
佐久間「高校は、卒業した方がいいと思うけど、
別に、今の学校じゃなくてもいいし」
今の学校も、いくら不登校に理解があるとはいえ、
出席日数が足りないと、卒業できないだろう。
それなら、通信制高校に転校するのも、アリだと思う。
俺も、一時期、本気で調べたことあるし。
佐久間「照とも相談しないといけないけど、
阿部ちゃんの気持ちが、一番大事だよ」
阿部ちゃんの頭を優しくなでて、言葉を待つ。
阿部「俺、自分がどうしたいのか、分かんない」
そう呟く気持ち、俺も経験したことあるけど。
『周りは、学校に行ってほしいと思っている』とか、
『転校しても、ダメだったらどうしよう』とか。
自分一人だと、そんなことばかり考えてしまって。
どうするのが一番いいか分からなくなっちゃうんだよね。
そのときも、ふっかと照が助けてくれて、
考えすぎて絡まった糸をほどいてくれたっけ。
自分でも分からなくなっていた、俺の気持ちは、
『ふっかと照と一緒に、高校を卒業したい』だった。
今度は、俺が阿部ちゃんのために頑張らなきゃと、
時間をかけて、阿部ちゃんの気持ちを聞いて。
照とは、少しずつ頑張るって約束をしているけど、
それに縛られなくてもいいと思う。
でも、また環境が変わるのは、阿部ちゃんにとって、
ストレスになってしまうかもしれないし。
俺は、阿部ちゃんが笑って過ごせたらいいなって、
とにかく、それを一番に考えていた。
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作者名：アクモ | 作成日時：2023年2月1日 20時
