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そうして迎えたテスト期間。
中学生のときからなんだけど、
ごはんと寝る時間以外は、ずっと勉強していて。
睡眠時間まで削ろうとするから、
それはみんなで止めて、何とか寝かせるんだけど。
テスト初日の今日、俺が起きたときには、
朝から勉強している亮平の姿。
岩本「亮平、 おはよ」
阿部「うん、おはよう」
ベッドの中から呼んでも、こっちを向いてもくれなくて。
仕方なく、起き上がって、 亮平の横へ。
岩本「ほら、そろそろ、下、行こう？」
阿部「うん、もうちょっと」
まあ、中学生のときから、テストの日はこうだから、
もう慣れたもんではあるけど。
ようやく手を止めて、立ち上がったから、
俺も一緒にリビングに下りる。
テストの日は、亮平の希望で、
他の生徒より早く着くように、学校に行くから。
時間に余裕がない中、バタバタしながら準備をして。
阿部「行ってきます」
行っていらっしゃい、頑張ってね、
という声を背に、亮平と家を出る。
佐久間は一緒に来られなかったから、
学校に着いてからが心配だったけど。
俺の手を握って、無事に学校に入ることができた。
この間案内してもらった教室には、
亮平ともう一人しか来ないみたいで。
少しだけ、亮平がホッとした表情になる。
保健室まで送り届けたら、後は先生に任せるだけ。
岩本「具合悪くなったら、 教室にいる先生に言いな？
俺は車で待ってるし、すぐ迎えに来るから」
顔をのぞき込むと、不安そうな顔でコクリと頷く。
もう一度、先生にお願いして、手を離そうとすると、
亮平の腕が俺の腰に巻きついてきた。
阿部「ひーくん、"頑張れ"って言って？」
岩本「ん、亮平なら大丈夫、頑張れ」
俺は応援することしかできないし、
精一杯の気持ちを込めて、背中をなでる。
阿部「うん、頑張る」
慣れない教室に行って、知らない人と一緒に、
同じ部屋にいるだけで、亮平には大変なことだから。
正直、途中で呼ばれるだろうと思っていたけど、
呼ばれることなく、テストは無事に終わった。
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作者名：アクモ | 作成日時：2023年2月1日 20時
