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side 黒
今夜は、いつも賑やかなリビングが静かで。
俺がソファでうたた寝していると、そっとドアが開いて、
入ってきたのは阿部ちゃんだった。
リビングに誰もいないと思ったのか、
俺の方は見ずに、キッチンへ入っていく。
様子がおかしい気がして、黙って見ていると、
俯き加減でウロウロして、コップに水を注いでいる。
注いだお水も、飲まずに見つめているだけで。
目黒「阿部ちゃん」
阿部「うわぁ！」
声をかけると、ビックリさせてしまって、
持っていたお水も、少し零れてしまった。
目黒「あ、ごめん」
慌ててティッシュを持っていって、拭き取る。
阿部「目黒、いつからいたの？」
目黒「阿部ちゃんが入ってくる前から、ソファにいたよ」
阿部「え、気付かなかった」
零れた水を拭いたら、阿部ちゃんを引っ張ってソファに座る。
目黒「阿部ちゃん、何してたの？」
阿部「うん……。これ、ちょっと預かってて」
阿部ちゃんが差し出したのは、何かの薬。
俺が受け取ると、ホッとした表情になって、
持ってきたお水を一気に飲んだ。
タン、と音を立ててコップを置くと、目を閉じて、
自分の胸をさすって、小さな声で"大丈夫"と繰り返す。
そのまま大きく深呼吸をして、やっと目が合った。
阿部「ごめんね、目黒がいてくれて助かった」
その後、教えてくれた話によると、
例の薬を飲みたくなっちゃったらしくて。
謎の行動は、どうしたら我慢できるか、
いろいろ試行錯誤していたところだったらしい。
阿部「悪いんだけど、その薬、明日まで持ってて？」
俺は構わないんだけど、ただ我慢するのって辛くないかな。
目黒「じゃあ、今度から、薬飲みたくなったら、
代わりにサプリ飲むのは、どうです？」
阿部「サプリ？」
俺の提案に目をパチパチさせている。
目黒「なんか錠剤っぽくないですか？」
阿部「うん、いいかも！」
パッと笑った阿部ちゃんは、すぐにシュンとなった。
阿部「でも俺、ドラッグストア、行けないんだった」
また薬を買い足してしまわないように、阿部ちゃんは、
１人でドラッグストアに行かないことにしていて。
でも、誰かと一緒なら行ってもよかったはず。
目黒「じゃあ、俺と一緒に行きましょ。
それなら、みんな許してくれますよ」
俺も少しは、阿部ちゃんの役に立てそうな気がしてきた。
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アクモ(プロフ) - くろさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます。とても嬉しいです。今後は未定ですが、また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。 (2022年12月14日 22時) (
レス) id: 2c15e54c18 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - このお話大好きだったので終わってしまうのめちゃめちゃ寂しいです。また機会があればこっそり戻ってきていただけると泣いて喜びます！ (2022年12月12日 9時) (レス) @page50 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
アクモ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。 (2022年11月22日 0時) (レス) id: 2c15e54c18 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 毎話読ませて頂いてます。更新楽しみにしています。 (2022年11月21日 0時) (レス) @page33 id: a9a7eea51c (このIDを非表示/違反報告)
アクモ(プロフ) - くろさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて、嬉しいです！(作者) (2022年11月1日 21時) (レス) id: 2c15e54c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アクモ | 作成日時：2022年10月25日 0時
