24−1【紫 - 黄】 ページ43
side 黄
深澤「照、ちょっといい?」
お風呂も入って、自分の部屋に戻ろうとすると、
ふっかに呼び止められて、ついていく。
部屋に招き入れられ、向かい合って座って。
なにか相談かと思ったけど、違うかも。
だって、なんだか、ふっかの顔色が悪い。
深澤「悪いんだけどさ、明日、仕事休むと思う」
岩本「ああ、それは大丈夫だけど。
なに、体調悪いの?」
深澤「やっぱ、照には隠せねえか」
俺に気づかれたと分かると、さっきまで、
精一杯伸ばしていた背筋が、途端に猫背になる。
深澤「なんか、腹痛くて」
岩本「えっと、翔太か舘さん、呼ぼうか?」
きっと俺より腹痛の対処に詳しいだろうし、
ふっかも頷いたから、2人を呼んでくる。
翔太も舘さんも、ベッドに寄りかかって、
痛みに耐えるふっかに驚いていたけど。
すぐに舘さんがふっかの横にしゃがみ、
痛い場所とかを聞き始めた。
渡辺「俺も、最初のとき、いろいろ聞かれたな。
今はもう、"いつもの?"って感じだけど」
一通り聞き終わったらしい舘さんだけど、
なんだか困ったような表情をしている。
渡辺「どうした?」
宮舘「うーん、翔太のとは違うみたい。
なんだろう、冷えちゃったのかな」
舘さんに言われてふっかのお腹を触ってみると、
確かに少し冷たい気がする。
岩本「じゃあ、温めた方がいいかな。
俺、湯たんぽ作ってくる」
キッチンに行こうとすると、
翔太が腕をつかんで止めてくる。
渡辺「湯たんぽは、翔太のが一番気持ちいいの。
涼太、作ってきてよ」
お湯入れるだけなのに、そんなに違うか?
舘さんは、まんざらでもない様子で、
キッチンに下りていった。
渡辺「確かに、俺がお腹痛いときは、
こんなにゴロゴロしてないもんな」
翔太もふっかのお腹をさすってくれている。
渡辺「本当は、お腹さするのも、
涼太がした方が楽になるんだけど」
気づいていないかもしれないけど、
めちゃくちゃニヤニヤしている翔太。
やっぱり、この2人呼んで正解だったわ。
舘さんが作ってくれた湯たんぽを抱えると、
少し痛みが落ち着いたらしい。
深澤「ありがと、ちょっと楽になった」
渡辺「だろ?涼太の湯たんぽだからな」
深澤「なんで、なべが自慢すんだよ」
翔太の言葉に笑う余裕も出てきたみたい。
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作者名:アクモ | 作成日時:2022年8月4日 0時