14−１【桃 - 赤】 ページ24
side 赤
夜中にお腹が痛くなった翔太に起こされた。
昨日の夜、マッサージはしなくていいから、
一緒に寝たいと言われて、なんとなく予想はしていたけど。
いつものストレスが原因のようだから、
湯たんぽを準備しにリビングへ下りてくる。
リビングの電気は消えていたけれど、
カーテンが開いていて、窓際に人影があった。
佐久間「あれ、涼太？どうしたの？」
振り返った人影は佐久間だった。
一瞬、見えちゃいけないものかと思って、
ちょっとドキドキした。
宮舘「翔太がお腹痛くなっちゃって。
佐久間は、どうしたの？」
佐久間「なんか眠れなくて、空見てた。
俺の部屋からじゃ、月が見えなくて」
そっかと応えて、湯たんぽの準備をする間、
佐久間は空を見上げたまま動かない。
宮舘「阿部のところ、行かないの？」
佐久間「んー、阿部ちゃん寝てたし、
今日は大丈夫かな、って」
何が大丈夫なのか聞こうと思ったけど、
翔太が待っていることを思い出して、やめた。
宮舘「俺、まだしばらく起きてると思うから、
何かあったら、おいで」
佐久間「うん、ありがとー」
多分、俺を頼ってはこないだろうけど、
声だけはかけて、リビングを後にした。
部屋に戻ってからは翔太にかかりきりで、
佐久間の様子を見に行く余裕もなく。
腹痛に唸って、気分が悪くなって吐いて、
やっと落ち着いた翔太が眠るという、
一連の流れが終わったころには外が明るくなっていた。
普段ならそろそろ起きる時間だけど、
俺もほとんど寝てなくて、翔太の隣で寝てしまった。
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作者名：アクモ | 作成日時：2022年8月4日 0時
