彼女の半分以上はツンで出来ている2 (ページ37)

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「あー！！」

ダメだ。緊張して変な声が出る。

「ねぇ、テソンは？」
G「今向かってる」
「遅いよ！」
V「落ち着いて、ヌナ」
「落ち着けるわけないでしょ！」

なんで、テソンだけいないの。

T「ほら、これ飲んで」
「いらない」
S「Aヌナ…」
「いらないってば！」

皆が私を落ち着かせようと色々してくれるのはわかってる。
わかってるけど…
テソンだけがいないこの状況。感情的になって、皆に当たり散らしてる。

G「ヌナ、泣いたらメイク落ちる」
「わかってる」

だからずっと我慢してるのに。

G「わかってるって、涙溜まってる」
「うるさい！我慢してる！」

私の頬に触れようとしたジヨンの手を払った。
ダメだ。本番前に雰囲気最悪だ。
静まり返る楽屋のドアが勢いよく開いた。

D「ごめん！遅くなりました！」

息を切らせたテソン。
私はテソンに思いっきり飛びついた。

「テソン…！」
D「Aヌナ、大丈夫？」
「大丈夫じゃない…」
D「だよね。大丈夫なわけないよね」
「テソン…遅い」
D「ごめんね」
「うん」
D「泣いちゃった？」

テソンが私の顔を覗き込んだ。

「我慢した」
D「そっか。偉いね、ヌナ。でもちょっとメイク落ちちゃってるよ。
メイクのヌナに直してもらっておいで」
「うん、わかった」

私の頭をポンポンと撫でてテソンが微笑んだ。
さっきまでイライラしてたのに、テソンが来ただけでスッとイライラが消えた。
メイクを直してもらったら、皆に謝ろう。