私でいいのか！ (ページ39)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:184,970 hit

39 ページ39

CM『お疲れ様でしたー』

収録が終わり楽屋に戻って携帯チェック。
ん？50件！？

CM『ヒョン！』
YH『どうしたー？』
CM『Aから電話ありました！？』
YH『え？ないよ』

Aにかけ直しても出ないし、マネージャーにも着信はなかった。

CM『なにがあった…』
YH『Aちゃん、電話出た？』
CM『出ないです…ちょっと先に帰ります！』
YH『わかった。また連絡して』

焦る。ハンドルを握る手が汗ばんでいるし、心臓の音も凄い。
Aに何かあったら…考えただけでもゾッとする。

CM『落ち着け…何もない…大丈夫…』

今はそう言い聞かせるしかない。

CM『A！！』

家の中が暗い。でも靴はある。

CM「A！？」

リビングの扉を開けるとソファーで眠るA。
良かった…いた…

CM「A」

近づいて彼女の髪を撫でた時、いつもと違う事に気付いた。

CM『え…』

腰まであったAの髪が短い。しかも横だけ。

CM「A！」
「ん…チャンミン…チャンミン！」

起きた彼女が僕にしがみついて声をあげて泣いた。

CM「大丈夫…ゆっくりでいいから何があったか話して…」

背中をトントンと優しく叩きながらAが話のを待つ。
だいたいは予想がついていた。

「髪の毛…切られた…」
CM「マンションの前にいた子たちに？」
「うん…」

やっぱり…最悪だ…

CM「ごめんなさい…僕のせいだ」
「チャンミンのせいじゃない！」
CM「A、警察に届けましょう」
「え…」
CM「今回は髪の毛だったから怪我しなくて済んだ。でもそれが首だったら？顔だったら？立派な犯罪です。許せない」

怒りしかない。
犯人を見つけ出してどうにかしてやりたい気分だ。

「うん…」
CM「顔は？覚えてる？」
「なんとなく…」
CM「防犯カメラも調べてもらいましょう。
事務所にも報告して対応してもらいます。
明日、髪の毛綺麗にしにいこう」
「うん…」

お父さんと約束したのに…全然守れなかった。
悔しい気持ちと怒りで頭の中はグチャグチャだ。

「あ…ごめん…ご飯作るね」
CM「無理しないで」
「大丈夫だよ」

キッチンに立つ彼女の傍にずっといた。

「ちょっとチャンミン、邪魔ー！
あっち行ってて！」

少し笑った彼女を見て、心底ホッとした。