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「Aさんは結婚式どこで挙げたいとかありますか?」
『え"っ…、と。…こだわりとかは無いです』
「そうなんですね〜。
じゃあ親父が言ってた都内の1番格式の高い式場にしましょうか」
『…そう、ですね…』
…今、私は新幹線に乗って大分へ向かっている。
グリーン車で人も全く居ない所に司さんと2人で座る。
これまでの人生こんなに気まずいことは無い。
よく分からん人と旅行だなんて…。
しかも話は結婚式の話。
そもそも式なんか挙げたくないしやっぱり結婚もしたくない。
「ドレスは僕の知り合いのフランスにいるスタイリストさんに頼みますね。」
『…フランス。凄いですね』
「でしょう。この前の世界のドレスのコンテストで優勝したらしいんです」
…私はきっと無愛想で話しにくいと思うけど
話も頑張って繋げてくれてるし、
司さんは本当に良い人なんだと思う。
___そこで新幹線が止まる。
「着きましたね。行きましょう」
そう言って立ち、私に手を差し伸べてくる司さん。
『あ、えと…大丈夫です、
…て、手を繋がなくても私は迷いませんよ。』
ニコ、と笑っておく。
元彼…いや、棘くんにまだ未練のある私には
他の男性と手を繋ぐことなど考えられなかった。
…流石に無理があったか。迷う訳ないもんな。
この手はきっと " 恋人らしいこと " の手だ。
すると司さんも笑って
「ふふ、そうでしたね。」
と言ってくれる。
…良い人だ。(2回目)
私も棘くんと出会えてなかったら
好きになってたんじゃないかな。なんて本気で思う。
そしてゆっくり電車を降りた。
ちらほらと人はいるものの、
平日の昼間ということもありホームも空いていた。
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そこで、見つけた。
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高身長で目隠しをした1人の男性を。
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麗葉 - 司さんめっちゃいい人!!そして棘くん相変わらず最高です!ありがとうございました! (6月24日 0時) (レス) @page37 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
りんごうまい - これ見てたらぼろぼろ涙が出てきました、大好きです!! (2022年1月23日 22時) (レス) @page37 id: ef60100ca2 (このIDを非表示/違反報告)
ネイジェ - 物凄く素敵な物語を作ってくれて、ありがとうございました!もう感動しすぎて涙が止まんなくて・・・最高です!ありがとうございます!!! (2022年1月18日 22時) (レス) @page37 id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
魔灯 - 乙骨君出てきたとき「ふぇっ!乙骨k」って舌かんだ(笑) あっすっごく感動?しました! (2021年8月29日 17時) (レス) id: 43f1bbcd44 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン食べた〜〜い(プロフ) - 作品読ませていただきました!とても素敵な作品に出会えて幸せです!ありがとうございました! (2021年4月10日 22時) (レス) id: 94938cd882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:檸檬 | 作成日時:2021年2月14日 19時