私と別れて欲しい【狗巻棘】【完結】

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「先輩、ポカリで良いですか」


『しゃけ』









＿＿＿Aが居なくなって３週間が経とうとしていた。

でも、心は癒えなかった。





…なんせ、初めて自分の愛した人が目の前から居なくなったから。




今までまともに友達さえもおらず、

いつもちゃんとは話せない自分には

Aは本当に勿体ないくらい素敵な人で。





今は皆と協力して任務先ではAを探してみたり

毎日LINEを送ってみたりしている。

…一向に既読すらつかないけど。





こうして、日々心のどこかでAをさがしている。







あの時追いかけなかった自分に腹が立つ。









そんな気持ちを募らせながらも

任務に行ったり鍛錬したりの日々が続いていた。









恵からポカリをツナマヨ(ありがとう)と受け取った。


すると








「…狗巻先輩、」







『…ツナ？』






「Aさんとまた、みんなで鍋食いましょうね」





…鍋、鍋。

そういえば前に２年と１年で鍋をしたことを思い出す。

悠仁の肉団子が美味しすぎて

Aが頭ぶつけた時…。






真剣な眼差しでこちらを見て

みんなでの思い出を覚えてくれている恵に

なんだか心を打たれてしまい







『すじこ、明太子？』






悪戯っぽく

今夏だけどやるの？

と答えてつい笑顔になる。







え、あ…はい、もちろんですよ！

という恵と一緒に稽古場へ戻った。









恵も優しくていい子だなぁ。









…あれ、そういえば…

いつぶりに笑ったんだろう。









．









恵「＿＿＿＿あれ、真希先輩は？」


パ「悟に呼ばれてちょっと前に行ったぞ〜」


恵「五条先生が…

そういや出張で帰ってくるの3週間ぶりくらいですよね。」


『高菜』





そういや最近見てないと思って相槌をうつ。




パ「何の用なんだろうな」

恵「どうせしょうもないことでしょ」




と恵が言う。









そして、さっきの言葉を思い出す。









3週間ぶりくらい…









『…！』



パ「どうしたー、棘」



『おかっ…！か！！』









可能性は無いことは無いが少しはある。






" 悟なら何か知ってるんじゃないか。"

という感情に任せた思考に身を任せて走った。









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