No.16 ページ18
「たとえ妖であろうと、恐るるに足らず！」
「その腕、もらった！！」
「ご主人様〜！ぼくも行ってくるよ〜！」
「亀甲貞宗！！貴様は負傷しているのだから油断はするな！！」
「捕まえました〜」
「調子に乗るなよ！」
ズバズバと敵を倒していくみんな
私は何も出来ない……
「………ッ、痛ったぁ……」
「ありゃ………失敗しちゃったなぁ……」
『髭切！信濃！』
「ふふっ、大丈夫だよ主、僕はまだ行けるよ……ッ」
「そうそう、……俺は大将の行く末を見守るんだから……ここで倒れられないよ！」
二人は立ち上がると再び攻撃する
「よっ、はっ、とぉ！」
「きえあああっ！」
「主！まだ一体残っている！」
『あと一体……？どこに……』
「主様！！後ろです！！逃げて下さい！」
物吉の叫び声で後ろを振り向く
いた……時間遡行軍、池田屋にいた槍
『…………っえ、どうしよ………』
槍は一直線に私を目掛けて貫こうとする
無論、校舎側からは悲鳴が聞こえる
『ッ、！』
私は間一髪で避ける
『は、はぁ……はぁ、………怖かったぁ…』
「主！大丈夫ですか！？」
長谷部は心配して駆け寄る
『は、長谷部……、怖かった………長谷部、みんな、主命です、あれを殺りなさい、時間遡行軍を一体も残さないで！』
「「了解しました！」」
「長谷部！お前が彼奴を殺れ！」
膝丸が長谷部に言う
「ボク達であの槍の攻撃を抑さえます、長谷部さんはその間に倒してください！」
物吉も長谷部へとお願いする
「嗚呼、もちろんだ！これは主命だ！一体も残すなよ！」
髭切、膝丸、亀甲、物吉、信濃が槍の攻撃を抑える
「「長谷部！/長谷部さん！」」
「ああ」
長谷部は高く跳ぶと首を落とす
「悪いが主命だ、死ね」
『た、倒したぁ………』
私は気が抜けて座り込む
「大将、大丈夫？立てる？」
信濃が手を出してくれる
『ごめん、信濃……みんな、お疲れ様』
「いえ！俺は主の刀ですから！」
「源氏の重宝として当たり前だ、な、兄者」
「そうだね、えっと………弟よ」
「あ、ああああ兄者！俺の名前は膝丸だぁぁ！！」
校庭には膝丸の悲しげな叫び声が響き渡った
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作者名：ルカ | 作成日時：2018年4月3日 23時
