イキシア 〜秘めた恋〜

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廉 side


身体に力が入らないし頭もまわらない


気を抜けばどこまででも落ちていってしまいそうな自分が怖い


やっと共演者の人達と仲良くなれたのに


その人たちも俺から離れていっちゃうのかな


今はネガティブなことしか考えられなかった


よっぽど思い詰めた顔をしていたのかスタッフさんに心配される始末


「大丈夫？いつもと様子が違うけど」


こうやって、声をかけてくれる人がいた


それは、共演している健太郎くん


何も言わずに隣に座って俺を見つめる


肩が触れるか触れないか


その微妙な距離感を保ってくれて


それでも、返す言葉が見つからなかった俺は首を横に振っておくことにした


その瞬間、健太郎くんの手が俺の頭に触れた


少し力を加えられて肩へと導かれる


「しんどそうだからさ、少し寝ておきな？」


睡眠不足だったのか寝苦しさから寝た気になっていなかったのか


自分ですら分からないのに



「なんかな、しんどいなぁって」



「うん、しんどかったね。だから今はゆっくしたいでしょ？」


まるで幼稚園児と先生の会話


こんなこと紫耀にも言えたらいいのに


そう思いながら眠りについた

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