６話 ページ7
貴方side
春の日差しが指す中、私は今日もあなたを想う。
桜の木の下。
ここは貴方と初めてお会いした場所でしたね。
今年で何年目でしょう？
いや、何百年ですかね…。
私も諦め悪いですね。
この桜が咲き誇るともしかしたらと思ってしまいます。
ですが…今年でそれもおしまいですかね……。
でも、きっと見つけてくれるはず。
私は貴方を信じております。
あの時仰っていたことを信じております。
「信じて待ってますから…ロボロ」
早く……早く会いたい。
兄「またここに居たのか。ほんとに好きだなこの桜」
「兄様…うどしてここに？天界に居られたのでは？」
兄「いや…お前に伝えて来いって」
「なにを？」
兄「お前、そろそろ天界に行かないともたないぞ？だって」
「やはり…そうでしたか」
兄「そろそろ、この神社も他のやつに任せて天界に戻ったら？力も弱まってるだろ？」
「ですが…」
兄「まだ、アイツを待ってるのか？」
「……」
兄「はぁ…こんなに待ってるのに来ないんだから諦めろよ」
「ですがっ…！」
兄「所詮人間なんだよアイツは」
「そんなこと分かっております。」
兄「前世の記憶を持って生まれてくる人間なんてひと握りしかいないんだ。生まれ変わったとしても忘れてるだろ。」
「それでも……それでも私は待ちます。例え忘れていても、あの方が言っておられたのですから。」
兄「……」
「……」
長い沈黙が続く。
この沈黙は嫌いです。
兄様の威圧は怖いです。
でも、私は折れたりしません。
これだけは絶対に……。
兄「はぁ…今年。今年だけ待ってやる。」
「本当ですか？！」
兄「ただ、今年中にアイツが来なかったら無理矢理にもでお前を天界に連れて帰るからな」
「はい！」
やはり、兄様は優しいです。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←５話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：稲荷なり | 作成日時：2020年7月18日 18時
