遠くのバラより近くのタンポポ (ページ39)

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参拾捌ページ39

「そんなしけたツラすんな。雛鶴たちはたぶん無事だ。ヤバくなったら派手に逃げろと伝えてある。」

「そうですよね！なんて言ったって、師範のお嫁さんなんですから！」

「あぁ！あいつらはド派手な奴らだ！大丈夫だろう！」

よかった。師範の元気が戻ってきたようだ！

「そういえば、何か作戦とかはあるんですか？あんなに人の多い場所に上手く溶け込めるということは、敵もかなりの切れ者でしょう…。こちらもそれなりの策を考えなければなりません。」

「あぁ、派手派手なのを考えておいた！」

派手って…、目立ったら意味ないでしょうがぁ！！

と思ったが、一旦師範の案を聞いてみることにした。

「お前とあと2人、女隊士を遊女として店に売り、潜入してもらう。雛鶴たちを救出次第、1度引く。」

「なるほど、そして雛鶴さんたちの情報を元に、鬼を見つけ出し、斬る…ということですね！確かにそれが1番確実ですね…。
それで、あと2人…というのは…？」

「お前、知り合いの女隊士いねぇか？」

えぇぇ…知り合い…しのぶさんとか…？いやだめか！！

「えっと…、栗花落カナヲ…ですかね…。」

「あ？友達いねぇのか？お前。」

うっ…痛いところを突いてくるなぁ…。
確かに私は友達が少ない。
いや違う。まず、女隊士が少ないんだ！そうだ！絶対そう！私の所為じゃない！！

「まぁ、いい。蝶屋敷に行けば、女隊士くらい見つかるだろ。行くぞ、A！ド派手にな！」

「は、はい！」

って、師範早すぎ！！もう米粒なんですけど！？

「待ってくださいよ～！」

宇髄の足の速さには、一生かかってもついていけないだろうと思った。