拾玖 ページ20
「Aは、もっと自分の心に正直に生きていいと思うぞ。」
「えっ?」
突然そんなことを言う炭治郎に驚いて声を上げる。
「いつも俺たちから一歩引いていないか?なんだか、壁を感じることが多いと思っていたんだ。」
「………」
そうか。炭治郎にはそんな風に見えていたのか。私は。
「…怖いの…。」
「え…?」
「すごく怖いの。いつかみんなが、私から離れていってしまうんじゃないかって。」
話すつもりはなかった。
ただ、少し疲れてしまっていたのかもしれない。甘えたかったのかもしれない。弱音を吐くことで誰かに慰めて欲しかったんだ。
「A…」
私の名を呼ぶ炭治郎に、顔を向けた。
あぁ、なんて優しい微笑みだろうか。泣きそうだ。
「俺は、俺たちは、Aの前から消えたりしない。だから、どうか信じてくれ!頼ってくれ!
無理をするな!自分の心に嘘をつくな!心の赴くままに生きるんだ。
辛い時は一緒に乗り越えよう。」
ぽたぽたと私の頬を、羽織を涙が濡らす。
おじいちゃん以外の人の前で泣いたのは、初めてだった。
「…うん、うん。ありがとう。信じるから、頼るから…。…ありがとう、ありがとう。」
涙が止まらない私の頭を、炭治郎と禰豆子ちゃんが撫でてくれる。
こんなに暖かい夜は初めてだった。
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作者名:春風の通り道 | 作成日時:2020年3月24日 21時