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「いや、パソコンで作りかけてたんだけどさ。
今印刷したら、笹木さん寝てるし迷惑かなって。
あのプリンター、結構うるさいから」
「へえ。
あと何枚あるの？」
「40枚くらい」
「半分手伝うよ」
真衣はそう言うと、俺の座っている椅子の端にちょこんと腰を掛ける。
「じゃあ、私が宛名を書くね」
「え、俺の字じゃないって失礼じゃね」
「何それ。
パソコンに書かせるつもりだったんでしょう？
パソコンより、恋人の手書きの方がよっぽど良いよ」
真衣は宛名を書き始めた。
通信教育のペン習字を3ヶ月ほど習っていた真衣の字は、綺麗で素早い。
宛名を書く真衣のスピードの方が速く、俺の挨拶文はなかなか追いつかなかった。
「そんな悩まなくたって、挨拶文なんて全部一緒で良いじゃない」
「そうなんだけどさ。
でも去年会ってない人に�犧鯒�はお世話になりました�瓩辰栃僂犬磴鵝�
「朋也は変なところ真面目だね。
でもさ、両面手書きの年賀状って、今時希少価値あるね。
喜ばれるよ」
「まあな」
「でも、慌てて今日中に仕上げなくても良いんじゃん。
明日の昼間に印刷したら？」
もう宛名書きに飽きたのか、真衣が欠伸をしながら言う。
「松の内に届けば良いんだけど。
でも、やっぱり元旦に着いた方が良いからさ。
明日の朝には投函したいんだよ」
俺は今日知った�狆召瞭皚瓩箸いΩ斥佞髻⊆�慢気に使ってみた。
「そうだね。
松の内なら良いって思ってる人は、少ないだろうし。
松の内までには仕事も始まっちゃうしね。
やっぱ、3ヶ日には届いた方が無難だよね」
「あれ、松の内なんて言葉知ってるの？」
「知ってるわよ。
当然じゃない」
「へえ。
案外賢いんだな」
「そう？
でも、3つ前の総理大臣が誰かは忘れちゃった」
真衣は悪戯っぽく笑った。
人によって、知っていることは全然違う。
常識だと思っていることも、少しずつズレている。
俺は今日�牴貉讚瓩鉢狆召瞭皚瓩砲弔い特里辰拭�
そういう言葉を交わしているうちに、自然と身につけていくのは、意味のある事だと思う。
俺たちはあれこれ言いながら、年賀状を書く。
40枚近い年賀状を手書きで作るのは結構大変で、書き上げた時には2時を回っていた。
「何かを一緒にするなんて、凄く久しぶりだな」
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作者名：真 | 作成日時：2022年5月22日 15時
