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そして着そうにない物は、心を鬼にして資源ゴミに分類。
「続いて殺菌！」
厳選した服を、さらに季節ごとに分ける。
冬物のコート類は、まとめてクリーニングに出すことにした。
他の物も一旦干して、風を通す。
「そして新しい腐葉土と堆肥を混ぜ込む！」
クローゼットに隙間ができた。
カモン、春物のバーゲン！
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ーー数日後。
好天が続いたゴールデンウィークも、最終日であった。
久里坂真衣は何故か死人のように青ざめた顔で、友人の新垣美菜都と都内の街中を歩く。
美菜都が前を行く人々の足下を見ながら、ポツリと呟いた。
「・・・安かったよね」
「うん。
暫く服には困らないというか、買ったらマズイ」
ブルブルと身震いしながら呟く。
本当に恐ろしい。
両手に持ったショッピングバッグが、互いの散財の証だ。
連休中のバーゲンは、どこのショップも大変力を入れていて、値札の割引率に理性が吹っ飛んだ。
「あ、ソレ可愛い」「良いじゃん、買っちゃえ買っちゃえ」と互いに焚き付けあっていたら、大変な額を使ってしまった。
「うわー、やばいやばい。
マジやばい。
昨日も秀と遊んじゃったし、ネットでBlu-rayも買っちゃったし」
「こぶみかん・・・何で買っちゃったかな」
この1週間で、お前は一体いくら使ったのだ。
答えろ、久里坂真衣！
財布の中身と、銀行の残高を確認するのが怖い。
「節約しなきゃね、真衣」
「うん。
あと、稼ごう・・・」
バイト頑張ろう。
お互い仕送りを受ける、1人暮らしの身。
毎月の入金額が変わらない以上、予期せぬ散々は自力でどうにかせねば。
「あ、じゃあ真衣。
私このままバイト行くわ」
「そう？
私もそうしようかな。
じゃあね、美菜都ちゃん」
「強く生きるさー」
この近くの和食屋でバイトしている美菜都と別れ、真衣はそのまま駅の構内に入り、電車に乗る。
大学に入って見つけたアルバイトは、自宅マンションと大学の中間地点にある、小さな書店だ。
時給はパッとしないが、通学定期がそのまま使えるし、家からも大学からも寄りやすくて、働きやすい職場と思っている。
いつものように売り場のレジ前を素通りし、スタッフオンリーのドアを開ける。
バックヤードは新刊や返品する本の入った段ボールが積まれ、明るい売り場と反比例するように、薄暗く雑然としていた。
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作者名：井原 | 作成日時：2023年2月28日 3時
