なんでも承りますよ〜7〜 (ページ42)

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「そうですか」

プリントされた写真を真衣から受け取って1枚ずつ捲りながら、玄師はクスクスと笑った。

「これは、そうだね。
確かに覚悟が必要な顔をしているね。
ご馳走様というか」

「どうやったら、ここまで鼻の下を伸ばせるんでしょうか。
恋をしたからって、油断し過ぎじゃないですか」

早口で捲し立てる真衣を、玄師は苦笑して見つめた。

「恋に厳しい真衣さんには、春はまだまだ遠そうですね」

「もう今年の春は過ぎましたから！
来年の春のことなんか話してたら、鬼に笑われます」

ぷりぷり怒る真衣の頭を、玄師は優しく撫でてやる。

「俺は笑われてもいいから、春を楽しみにしてますよ」

玄師の手の温かさはいつも春のようだと真衣は思っていた。

でも今は素直に口にする気持ちなれず、わざとむくれた顔のまま、いつまでも撫でられ続けていた。