なんでも承りますよ〜7〜 (ページ34)

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そこに粉糖とローズウォーターを合わせて鍋に入れる。

粉糖とローズウォーターを合わせて鍋に入れ、粉糖が溶けてひと塊になるまで弱火で加熱する。

粗熱が取れたら、滑らかになるまで捏ねる。

「マジパンって、簡単にできるのに美味しいですよね」

「不味いという意見もあるけれど、真衣さんは好きなんですね」

「マジパンには思い入れがありますから」

「どんな思い入れですか？」

「秘密です」

「そうですか。
女性には秘密が多いものですからね」

秘密を詮索しない姿勢は紳士的だが、真衣の秘密に全く興味が無いのだろうかと思うと、少し残念な気がした。

「玄師さんは、人の秘密を知りたいと思わないんですか？」

「知りたいこともありますよ」

「例えば？」

「先程の富士峰くんの会話の続き。
真衣さんの恋愛観とか」

玄師は楽しそうに、焦る真衣を追及していく。

「真衣さんは恋愛に興味が無いんですか？」

「そんなことないですけど」

真衣は右斜め上に視線を彷徨わせながら、どう逃げ道を作ろうかと頭をひねった。

「理想が高いとか」

「そんなこともないですよ、たぶん・・・」

真衣の目が不自然に泳ぐ。

「恋愛に対する理想はあるんですね」

「それは、まあ。
私も女子ですし」

「どんな？」

真衣は「うっ」とうめいて言葉に詰まった。

「具体的には？」

「う・・・」

玄師はマジパンに和菓子用の色粉を混ぜ込みながら、チラリと真衣の顔を見る。

真衣は答えに詰まったまま、少しずつカニ歩きで店舗に移動した。

「真衣さんは奥手なんですね」

「し、知りません」

「いいんじゃないですか」

「え」

真衣の足がぴたりと止まる。

「人にはそれぞれペースがありますから。
真衣さんは真衣さんのペースで、いいんじゃないでしょうか」

「そうですよね！
私は私のペースで。
理想はゆっくり探っていきます」

玄師は犯人の自白を聞いた刑事のように、穏やかな声で言った。

「かなりスローペースですけどね」

真衣はまた、言葉に詰まった。

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色付けしたマジパンで人形を作っていく。

マジパンの色は淡いベージュなので、そのまま肌に使う。

髪の毛の黒、セーターのピンク、青のデニムのスカート、茶色のブーツ。