【ハイキュー】縁下のいとこちゃん (ページ34)

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32話ページ34

夢主side

大きな声で後ろから呼びかけると、男の子は少しムスッとした顔で歩みを止め、後ろを振り向いてくれた。

？｢はぁ…何？｣

『あのね、ちょっと話したいんだけど今いい？』

？｢僕いま急いでるんで無r((ぐぅ〜｣

恐らく男の子は無理だと断ろうとしてたようだけど、その声はその子のお腹の音でかき消された。まさかお腹が鳴るとは思わなかったのだろう。男の子はお腹を押さえて顔を少し赤くしている。
思えば今はお昼時。お昼を食べに家に帰るつもりだったみたいだ。

『ｸｽｸｽ、呼び止めてごめん。この間のお礼をしたくて話しかけたんだけどさ、これよかったらもらって。』

？｢あれくらいよかったのに…。｣

『私はすごく助かったの！！ありがとね！』

？｢…どうも｣

そっぽを向いて受け取ってくれた。耳が少し赤いので少し照れてるようだ。

？｢で、これなに？｣

『あ、それはね。クッキーだよ！ご飯の代わりにはならないだろうけど沢山作ったからよかったら食べてね』

じゃあ！ほんとにありがとう！と手を振りながら私も家路を急いだ。私もお昼ご飯作らなきゃ！何にしようかな〜ということで私は頭がいっぱいだった。だから

？｢あ、ちょっと！｣

後ろからした声は聞こえなかった。
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？side

ただ何となく助けただけだった。
いつも通り図書館に行き読みたい本を探していると、視界の端でぴょんぴょん跳ぶ後ろ姿が目に入った。別に無視しても良かったけど、必死に本を取ろうとしていたのが何となく気になった。
踏み台でも使えばいいのにと思いながらも、話しかけるより取ってあげた方が早いし楽だなと思い実行しただけ。
仲良くなりたかった訳では無いので本を渡してさっさと本を借りて帰った。

それなのに女の子は後日、わざわざ話しかけてきた。
正直めんどくさい。やっぱりやらなきゃよかったかな。
そう思っていると、その女の子はお礼を言ってわざわざ作ったクッキーを渡し、颯爽と去っていった。

？｢あ、ちょっと！……まだちゃんとお礼言ってないのに｣

こっちの言い分も聞けよ、となんかモヤモヤした。
そう思いながらもお腹は空いているのでさっそくクッキーを1口食べてみる。

？｢…うま｣

その子が作ったクッキーはとても美味しかった。