Starbucks Diary (ページ10)

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１０二卵生双子７ページ10

ハンソルくんもジスさんも帰ってお店も閉店の時間となった。

私は店の外側のドアにかけてある OPEN の掛札を CLOSE にひっくり返した。

『外さぶいねもう冬か～』

店内に戻って誰に向けるでもなくそう呟いた。

私がそう言うときは大体スングァナが「そうだな」とか言ってくれるんだけど…

当のスングァナはまだカウンターに居てテーブルを拭いてる。
しかも同じ所しか拭いてない。
なんか、ボーッとしてるし…。

彼に近づいて話しかけてみる。

『スングァナ』

「んぉー…」

反応が鈍いので肩をトントンと叩いてみる。

「ッウォオ」

やっと我に返ったみたいで私の方に顔を向けた。

『どうしたのボーッとしちゃって』

「…なんでもねーよ」

またテーブルを拭き始めるスングァナ。

『嘘だぁ何かあったでしょ』

それに乗じて私も近くにあった布巾をとって同じように拭き始めた。

スングァナは黙ってる。

『…何もないならいいんだけどー？』

語尾を軽く上げて言った。

手はお互いせわしなく動いてて、
店内に沈黙が流れる。

「ジスくんのこと…」

その沈黙を破ったのはスングァナだった。

『ジスさん？』

その瞬間スングァナの手と私の手がぶつかって『あ、ごめん』と私は顔を上げた。

すると目の前にはスングァナの顔があった。

視線が交錯してる。
２人とも目は少し丸くなって「あっ」という表情をしていた。

距離が近くて私は目を逸らしてしまった。

『ご、ごめんやだ私ったら…』

自分でも分かるくらいその時の私の顔は真っ赤だった。

何事も無かったかのようにまたテーブルを拭き始めるが横からスングァナの視線を感じていた。

「A」

『…なに？』

私は手を止めて彼の方を向く。

数秒間見つめ合ったあとスングァナがふにゃっと微笑んだ。

「ジスくんとは仲良くするんだぞ」

『…あ、うん！もちろん』

私は頷いて笑顔で答えた。

そんな私を見てふぅ… と鼻息をならしてスングァナはスタッフルームへと入った。

そこへ向かう彼の背中を、なぜか私はしばらく見つめていた。