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約半年前、たまたま見つけたとあるスターバックスコーヒー。

入ると、人はほとんどいなくて昔懐かしいジャズの音楽が店内に響いている。


「いらっしゃいませ」


レジには顔の丸くてくりくりの目をした男の人が立っていた。

適当に物を頼んでそれを受け取りカウンター席に座る。
改めて店内を見回してみるとどうやら客は私一人だけのようだ。


「今日初めてのお客さんです」

さっきレジに立っていた男の人が話しかけてきた。

『いつもこんな感じなんですか?』

「そうですね…ここ場所的にも気づきにくい場所にあるじゃないですか、だからだと思います」

彼は微笑し、私が来る前に洗ったのであろう道具たちをタオルで拭き始めた。

私も頼んだ物を飲み始める。


ジャズの音楽が静かに流れているだけの
やけに静かな店内だ。

そこでふと思ったのが

『今日は店員さんお一人ですか?』

彼以外に店員らしき人間は見当たらない。

私はストローを人差し指と親指で軽く握りながら聞いた。

「今日、というか基本 僕一人ですね…」

対し 彼は道具を拭く手を止めてそう答えた。

『え…じゃあ毎日…』

「ええ、あ、でも店長はちゃんといますよ!」

『人手とか足りるんですか?』

「はい、ここは人がほとんど来ませんから」

彼は笑っている。
そこに「寂しい」という感情は無さそうだった。



『あの…もし良かったら ここで働いてもいいですか?』



突然の私の言葉に彼も驚いている様子だ。


『あの、私ちょうどアルバイト先探してて ここなら のんびり過ごせそうかなって…』


正直な私の意見にまた笑った彼。

その後 彼は笑顔のまま


「もちろん!大歓迎ですよ」

と言ってくれた。




これが、私の このスタバと出会ったときの話。

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作者名:ぶー | 作成日時:2015年10月27日 20時

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