【HUNTER×HUNTER】一筆遊戯【男主】

遊戯17 ページ20

ガガガ……

どこからか機械音。
何かあるのかと少し身構える。


────ﾋﾟﾁｬ…


『…ｯつめた』

首もとに落ちてきたそれを拭う。


『水…か？』

ﾋﾞｨｨｨｨｨｨｨ!!!…ﾋﾞｨｨｨｨｨｨｨ!!!
【ｶﾞｶﾞｯ))Aの部屋へようこそ。
只今から、水がこの部屋に流れます。
七時間ほどでこの部屋は水で満たされます。
“部屋から出られれば”クリアとなります。
では、ご健闘を。】


けたたましいサイレンのような音と共に
聞こえた声は
それだけを言うとぱったりと聞こえなくなった。


…かわりにポタポタと水が落ちてきた。
極めつけには部屋の角から
少しずつ水が流れ出している始末。


……これ、七時間もつか？



『…“部屋から出られれば”……か』


タイムリミットは七時間。
それまでに…

『このドア全部開けられんのかねェ…』


ぐるりと部屋を見渡してため息。
正直“ドアを開けるだけ”の試験ならつまらない。
壁にも天井にもドアはあるのだか。

────本当にそんだけの試験、か？


『まぁ、つっ立っててもしょうがねーか。』

とりあえず、近くのドアを開けてみる。


「…あ？おぉ。やっと来たか。」

『…は？』

ドアの中には男が一人。
よっこいせとそこから出てくる。

いや、え？なに？ハズレとかあんの？これ。


瞬間、ヒュンという音とともに床に突き刺さる斧。

……いや、なにこれ。


「俺は囚人番号0892番。対戦方法は“デスマッチ”を提案しよう。」

『いや、提案されても困るのだが』←

ドア開けて“デスマッチやろーぜ”なんて…
今俺、すげぇ貴重な体験してる←


「…そうか、いｯｯ」

ﾌﾞﾝｯと振り上げられた斧。

『あーあ、お前なんかが楽しませてくれるとか
考えられないんだけ、どｯ』

迫りくる斧を後方へ避ける。

『なに？俺のこと楽しませてくれるわけ？』

「……もちろん」


そっか。と呟き、男の頭部が入るだけの円を描く。


『じゃ、“初撃くらいは”避けてよねぇ♪』

────一筆遊戯


『どぉーん☆』


轟音と共に一筋の光。
それは男へと一直線に向かう。



────ﾄﾞｻｯ


『…うそつき。楽しませてくれるって言ったじゃん』


高ぶった気持ちが一瞬にして冷めるのを感じた。

ま、男は答えてくれないが。


『…ハズレは囚人が出る、か』

システムがわかったからまぁいいが。


────楽しそうなやつ、いるといいな

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