キミ以外考えられなかった結果。

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大我 「 は？ 」






よりにもよってなんでその女？



俺はAが好きではない

別に明確な理由はないけど
女のくせに、女を全うしていない奴はだいたい嫌いだった
化粧も雑だし肌の手入れもちゃんもしているように見えない

お前、本当に女？







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……あぁでも俺は、男なんだ

そんなずさんな女でも、性別は女
そして俺はどんなに頑張っても男





これが現実だった






男の俺は、あいつらのいる場所には居られない
そもそもスタートラインにすら立てていない
というか、コースさえ外れているのかもしれない


それでもどうにか足掻いて、自分なりに頑張って、必死で好かれようと思った




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『 ノンケに恋をしてはいけない 』





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何かで見かけた
漫画か小説か、はたまた誰かのブログか
そんなのもう忘れたしどうでもいい



ただその言葉だけはずっしりと俺の心にのしかかっていた

そして、そんな恋するもんかって思っていた






だけど、実際 俺はそんな恋をしていた




どうして好きになった人は樹だったんだろう

どうして好きになった人は俺が恋愛対象外なんだろう


ただ樹に愛されたかっただけなのに
どうしてこんなに胸が苦しくなるんだろう






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いたたまれなくなった俺は
樹とAが付き合うという報告を受けたその日からこいつらとつるむのをやめた






この3人がいなくても、俺のことを "姫" と言って持ち上げて、ついてくる奴らは何人もいる









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それなのに







樹だけは、俺のことを愛してくれなかった








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樹が女の子と仲良くする度に、付き合う度に、身体を重ねる度に



俺は、自分の性別を恨んだ




俺が女の子だったら、その子の立場と代われたんじゃないか

愛されたんじゃないか

あの優しい指先で、俺の身体を……






大我 「 はぁっ………… 」





ひとり、ベッドの中で
樹の身体を思い出しては慰めてしまう



こんな自慰はただただ虚しいだけだった






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