『ただいま』 ページ34
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目を覚ますと、視界に入ってきたのは1面コンクリートの地面だった
「ここ……、」
忘れもしない
みんなで来たトンネルの入口
だけど、近くには誰もいない
私ひとりぼっち
服装もあの日、みんなと肝試しをしに来た日と同じものだった
.
つまり戻った
私は戻ってこれたんだ
「みんな………どこ?」
なのに、みんなはどこにもいない
急いで帰った
全速力で走った
もしかしたら、みんな家にいるのかもしれない
私を置いて戻っているのかもしれない
ちょっと私が戻るのが遅れただけで
そうだ、きっとみんなはいるはず
.
.
.
.
.
『 樹?誰それ 』
『 優吾…と、慎太郎? うちに息子はいませんけど。 』
.
.
悪い夢でも見ているのだと思った
いなかった
誰も、あの5人のことを覚えている人がいなかったんだ
どうして?
何でみんなの存在が消えているの?
.
頭を抱えていると、脳裏に浮かぶあの残虐な映像
パラレルワールドでの記憶が一瞬にして蘇ってくる
.
北斗『 俺は、Aを愛しているよ…俺のせいで辛いなら、俺は、いなくなる、から、。』
優吾『 遅くなってごめん。迎えにきた。 』
樹『…てめぇ!!!! 』
大我『 …分かった、最後まで見守っておくよ。 』
慎太郎『 俺は、絶対に死なねぇ……生きて帰る、 』
.
「……………いや!!!!!!!」
頭を抱え込んで、大声をあげたまま倒れ込んだ
息が吸えない
全身の震えは止まらないし
背筋が凍ったかと思った
彼らは、存在が消されていたんだ
どうして
何で
頭に浮かぶひとつの推理
「…………平行世界でみんなが死んだから、? 」
向こうのみんなは、全員死んだ
高地と慎太郎は元々こっち側の人間だった
だけど、樹と北斗と大我は違う、あっちの世界には迷い込んだ3人はどこに行ったのか行方すら分からない
訳の分からない理由なのは重々承知
だけどこんなくだらない仮説を立てる以外に、この状況を説明出来るものは何も無かった
.
気が付くと私の足はトンネルへと向かっていた
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FON(プロフ) - 蕾華さん» コメントありがとうございます!第1章は闇要素で終わらせたんで第2章はハッピーエンドにしたいなぁとは思ってます(笑)移行先でも宜しくお願いします! (2020年3月18日 14時) (レス) id: 489a166a7a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - oshi8029さん» コメントありがとうございます!こういう作品少ないので好みと言っていただけて凄く安心しました;_;移行先でも宜しくお願いします! (2020年3月18日 14時) (レス) id: 489a166a7a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - てこのてこんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるのめちゃくちゃ嬉しいです;_;移行先でも宜しくお願いします! (2020年3月18日 14時) (レス) id: 489a166a7a (このIDを非表示/違反報告)
蕾華(プロフ) - 第一部完結おめでとうございます。この作品結構闇がありつつも面白いので次も楽しみです。更新がんばってください!! (2020年3月14日 16時) (レス) id: 169f18cdbf (このIDを非表示/違反報告)
oshi8029(プロフ) - すっごく好みの作品です………!更新楽しみに待っています! (2020年3月7日 8時) (レス) id: 0e438070ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FON | 作成日時:2020年2月26日 5時