佐久間くんは他担の子に恋をしてしまったらしい

#20『料理』 ページ20

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さっくんがお昼からお休みということでまた会うことになった

天気はあいにくの雨だから、今日も集まるのはお家


何だかんだ1週間に1回は会っているし
電話もしょっちゅうしている

…さっくんのおたくには申し訳ないレベルだ






佐久間「 Aちゃん、まだ〜？ 」




ソファに座って、体を半分こちらに向けるさっくん

お仕事で疲れているだろうと思い、お昼ご飯を作ることになったんだけど





「 まだ野菜切り終わったばっかだから 」

佐久間「 さっきもそう言ってたじゃん！ 」

「 さっき、って数秒前の話でしょ！？ 」




さっきからずーっとこの調子

アニメ見てるんだからアニメに集中しなよ、って言いたいんだけど
言い争いするのも面倒だし黙っておこう






佐久間「 ねぇ〜Aちゃん〜来て〜！ 」



だけど、その呼び出しは永遠に止まらない

話したいことあるならそこから話して！って言ってるのに、そういうことじゃないらしい





「 今、火使ってるから無理。 」

佐久間「 何でよ佐久間、寂しいじゃん！ 」




さっくんは遂にアニメを止めて、体を完全にこちらに向けて私を見つめる

その姿はまるで捨てられた子犬のよう


……私こういう姿に弱いんだよなぁ





「 ……あぁもう分かったよ！あと盛り付けだけだから、 」



そう言うと、わーい！って喜びながらキッチンに来るさっくん

物凄い勢いで尻尾振っている子犬にしか見えない





そんな子犬くんは、私の手を取り強制的にソファに座らせる
さっくんはしっかり隣に座って

始まるのはやっぱりアニメ鑑賞




佐久間「 ねぇ、この子！可愛いよね！ね？ね？ 」



テレビ画面に映る女の子を見て

そして、キラキラした目で私に訴えかけてくる
そんなの料理中断させてまで伝えること？って思ったけど、


…そのキャラクターには見覚えがあって、





「 ………えっと可児那由多、ちゃんだっけ？ 」

佐久間「 お！予習済みでござるか！ 」





妹がなんちゃらみたいな名前のアニメだった気がする

そして確かこの前LINEで聞いた、さっくんがコスプレ持っているキャラクターのうちのひとり





なるほどそういうことか








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