# 苦手克服 ページ14
*
渡辺「 お前、ソーシャルディスタンスって言葉知ってる？ 」
扉を開けて第一声、そんな罵倒を向けられた
「 翔太こそ、よくそんな難しい言葉知ってるね？ 」
渡辺「 お前、本当に俺の事舐めすぎ。 」
時は遡って、自粛が解除された初日
それでもまだ第２波に備えて、不要不急の外出は備えないといけない…という風潮の中
私はひとり、彼の家へと訪ねていた
渡辺「 てか何で来たの？今からYouTubeのリモート撮影じゃん。 」
それでも中に通してくれる彼は、多分根が優しい
それか私のことが好きすぎるんだと思う
潔癖症の彼らしい、こざっぱりとしたシンプルな部屋へと案内された
白と黒で統一された、綺麗系男子の部屋って感じ
「 だから来た。 」
渡辺「 は？ 」
「 匂わせというか………、何かそういうの楽しそうじゃん？」
前に康二の部屋でYouTubeのリモート撮影した時に、オタクの子にバレて炎上したんだよね
まぁ康二のオタクはそんなに過激な子がいなくて、そこまで話題にはならなかったけど……
これがふっかとか目黒だったらめちゃくちゃ叩かれていたんだろうな〜とは思う
あと、今日訪れた渡辺とかね
渡辺「 俺をお前の炎上芸に付き合わせるな。 」
そう言って呆れながらも、何飲む？と聞いてくれる彼はやっぱりツンデレ
それとも私の事大好きなのかな〜なんて彼の背中を見ながら自然と口角が上がってしまう
だけどね、私の今回の目的はそんな生ぬるいことじゃないんだ
「 まぁ撮影まで時間あるし……… 」
2人分のコーヒーを入れて、キッチンから戻ってきた彼の腕をそっと引っ張る
渡辺「 ………何？ 」
「 とりあえずやっちゃう？ 」
ニコリと微笑んで、近くにあったソファへと押し倒した
渡辺「 やだ。 」
だけど彼の第一声はまさかの拒絶
「 何で？性i欲ないの？ 」
渡辺「 いや……というか、ソファは、ちょっと。 」
本当に女々しいというか……多分私よりもめんどくさい性格してるなぁ、こいつ
「 そんなの気にするなんて可愛いね〜〜じゃあベッド行こうか。 」
渡辺「 違ぇよ。ソファをお前の汚い汁で汚したくないだけ。 」
終始私にツンツンな彼の罵倒にはもう慣れた
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作者名：FON
| 作成日時：2020年8月8日 11時
