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何の苦労もしないまま部屋の前に着いてそして部屋の鍵を開ける。
「 …ただいま。 」
誰もいないけれど挨拶をするのは日課だ、この家には私以外にも人がいるって周囲に思わせた方が何かと都合が良いからね。
特に女性の一人暮らしは色々と狙われやすい、細心の注意を払う必要があるって何かのテレビ番組で見た気がするから。
「 ……って、何でいるの！？ 」
その声は思いのほか、大きかったと思う。
「 あ、Aさんおかえりなさい！ 」
「 いや、おかえりなさいじゃなくて。 」
「 あぁ！玄関にあったスペアの鍵勝手に拝借しました。 」
「 え、将来の夢もしかして泥棒とかだったりする？ 」
細心の注意も、中に入られちゃもう手の施しようがない。彼は、私の予想の斜め上をいっていたらしい。
エントランスで体育座りで私の帰りを待っているとばかり思っていたのに、……まさか家にまで侵入してるとは思わなかった。確実に不法侵入だと思うんだけど、彼はどうしてこうも堂々としているのだろう。最近の女子高生は自らを最強だと思っているとTwitterで見たことがあったけれど、紛れもなく男子高校生も最強であると私はこの時覚った。
夜空に煌めく星が、光輝くんの顔を綺麗に輝かせる。それにしても、時間も時間だ。こんな夜更けに大騒ぎしては近所からクレームが入る。この現実を仕方ないと受け止めて彼を部屋に戻した。
「 ……で、光輝くんは何しに来たの？ 」
ハイヒールを脱ぎながら彼に問う。きっと光輝くんに何を言ってももう無駄だから。
スペアの鍵を盗んでまで侵入してくるような餓鬼にこれ以上のお節介は不問と言えるだろう。
足早に玄関の鍵を閉めると部屋に入った。
一応確認したけれど荒らされている形跡もないし、何か貴重品が盗まれているわけでもない。
光輝くんは、私のそんな必死な姿に後ろでクスクスと馬鹿にしたように笑っていた気がする。それがやけに腹立たしかったけれど一応触れないでおいた。
「 俺は、Aさんに会いに来ただけですよ。 」
「 うーんその気持ちは凄く嬉しい。でもね、申し訳ないんだけどさ明日も早いんだ……。今日はゆっくりしたいから帰ってくれない？ 」
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名無し29860号(プロフ) - 最高に好きです！！！続き楽しみです！！！ (2021年5月22日 12時) (
レス) id: d2c23612bb (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん - もう設定から好きすぎます！めっちゃ楽しみにしてます！！ (2021年4月2日 3時) (レス) id: 26a54ff7bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱ た(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 99d7cdb867 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃよかったです！黒田くんの小説が読みたいなと思った時にこれを見つけて「よっしゃー！！！」ってテンションが爆上がりしましたwwこれからも更新頑張ってください！ (2020年9月26日 14時) (レス) id: 1767363814 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 黒田くんにあじは私得すぎました、、！ずっと楽しみにしてた黒田モノ(言い方)なのでとっても楽しみです！！！ (2020年9月16日 6時) (レス) id: 80c92d0d93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年9月16日 4時
