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安嶋は運転も喋りも、いつでもゆったりとしていた。
それが心地よくて、だから私は彼のことをとても重宝している。
本当はもっと多くの運転手がいるんだけど、店長に頼んで私の出勤時はほとんど彼が運転することになっていた。 所謂、店長のオキニの特権とやつだろう。ここまで自分の顔面に有り難さを持ったのは初めてだ。
「 安嶋の車って、本当に眠たくなっちゃう。睡眠効果でもあるのかな。 」
「 Aさん、大丈夫ですか？もうすぐ着きますよ。 」
暫くして私の家が見えてきた。都内にしてはさほど高くもない家賃で住めるマンション。
不意に頭に浮かんだ光輝くんの顔を今度は必死に追い払った。まぁでももう二度と会うことはないだろう。だって高校生といっても所詮未成年だ。家出なんて言っても、どうせ今はお家で仲良く家族団欒に決まっている。
……などと、この時の私は鷹を括っていたのかもしれない。今思えばただのフラグだ。
「 ありがとう、それじゃあまた明日。 」
「 Aさん、お気を付けて。ゆっくり休んでくださいね。 」
毎度送り迎えをしてくれる運転手の安嶋にお礼を言って家の前に着いた。
その車が完全に居なくなるのを見送って、エントランスに向かう。
何だか安嶋は私の弟代わりのような気がしていたんだ。だから事故とかあったら怖いなぁなんていう親心、はたまた老婆心というのか。
カツカツとヒールの音が鳴り響く深夜3時前、私はエントランスまで来てその光景に少しがっかりした。何となく……何となく彼がいる気がしたから。
だけどそこには光輝くんの姿など全くない。
ほらやっぱり家出なんて所詮そんな簡易的なものだ。また出会える保証なんてどこにとない。
せっかく久しぶりに再会できた年下の幼馴染、しかもだいぶイケメンに成長していたのにもう会えないなんて。連絡先くらい貰っておけば良かったかなぁ……って。何を考えているんだろう、相手は高校生、未成年だ。何か問題があるとすれば、捕まるのは私なのに。
そんな邪念を抱えたままエレベーターで3階まで上がった。
普段は階段で行くんだけど今日は前述した通り痛客のせいでどうにも疲れている。神経をすり減らして接客したご褒美というわけか、機械文明に大いに頼ることにした。
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名無し29860号(プロフ) - 最高に好きです！！！続き楽しみです！！！ (2021年5月22日 12時) (
レス) id: d2c23612bb (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん - もう設定から好きすぎます！めっちゃ楽しみにしてます！！ (2021年4月2日 3時) (レス) id: 26a54ff7bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱ た(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 99d7cdb867 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃよかったです！黒田くんの小説が読みたいなと思った時にこれを見つけて「よっしゃー！！！」ってテンションが爆上がりしましたwwこれからも更新頑張ってください！ (2020年9月26日 14時) (レス) id: 1767363814 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 黒田くんにあじは私得すぎました、、！ずっと楽しみにしてた黒田モノ(言い方)なのでとっても楽しみです！！！ (2020年9月16日 6時) (レス) id: 80c92d0d93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年9月16日 4時
