#4 『 車内 』 ページ4
＊
「 え、それで高校生を家に泊めたんですか！？ 」
早朝。
少し広めの車内に響くのは、この店の運転手である安嶋の声。寝不足だったせいもあり、そのキンキン声がやけに耳障り。
「 Aさん……まさか、その高校生相手に何もやってないですよね？ 」
「 朝から辞めてよ。私流石にそこまで馬鹿じゃないから。 」
昨夜は一晩泊めて、それでさっき学校まで送ったばかり。
頑なに同じベッドで寝ると言ってきたのを何とか制して、リビングのソファで寝かせた。
生憎、招いてもいない客を自身のベッドで寝かせてあげられるほど私は優しくない。ましてや同じベッドで寝るなんて言語道断。
もし万が一のことがあったら責任を取らされるのは成人済みの私だし、こんなところで警察の厄介になるような真似はしたくないから。
今日は平日だったのもあって、朝の6時には彼に起こされた。昨日の帰宅時間から考えて睡眠時間は約3時間弱。それでなくても低血圧の私は若干のイライラを抱えながらも、彼を学校の最寄り駅まで送ってあげた。
所謂大人の責任なのだが、もうこんなことは真っ平御免だ。
思い出しただけでも深くため息をついてしまう。そんな私の様子を安嶋がハンドル片手に蔑み笑った。
「 へーでも幼馴染と再会して、童i貞奪って欲しいなんてまるでドラマみたいですね。 」
「 ……願うことならフィクションであって欲しかったよ。 」
彼が高校へと向かった後、誰もいない家へと戻ってせっせと昨日の後片付けをしていた。
気が動転していたこともあり、風呂に入れさせてあげることすら出来なかったなぁ……。だけど私のマンションに到着した時から浮き足立っていた彼はとにかく寝床を探しているっていう様子だったし、別に良かったのかと自己解決。
彼の使ったコップや食器を洗いながらふと昔のことを思い出した。
私が中学一年生の時だろうか。彼が小学校に入りたての時期、通学路でガタイの良い上級生にいiじめられているところに遭遇したことがある。
思わず駆け寄ってそいつらを追っ払ったんだけど、光輝くん膝とか擦りむけててさ。それなのに必死に泣くのを我慢して「 お姉ちゃん、ありがとう！ 」って言ってくれたんだよなぁ。
潤んだ瞳が鮮明に思い出される、あの可愛かった頃が懐かしい。
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名無し29860号(プロフ) - 最高に好きです！！！続き楽しみです！！！ (2021年5月22日 12時) (
レス) id: d2c23612bb (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん - もう設定から好きすぎます！めっちゃ楽しみにしてます！！ (2021年4月2日 3時) (レス) id: 26a54ff7bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱ た(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 99d7cdb867 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃよかったです！黒田くんの小説が読みたいなと思った時にこれを見つけて「よっしゃー！！！」ってテンションが爆上がりしましたwwこれからも更新頑張ってください！ (2020年9月26日 14時) (レス) id: 1767363814 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 黒田くんにあじは私得すぎました、、！ずっと楽しみにしてた黒田モノ(言い方)なのでとっても楽しみです！！！ (2020年9月16日 6時) (レス) id: 80c92d0d93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年9月16日 4時
