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「 ねぇ君、人の話聞いてた？ 」
手に握りしめられているのはお札が約10枚程度。全部万札なことから、多分バイト2ヶ月分くらいだろうか。高校生の月給なんてだいたいそんなもんだろう。
「 ……俺。今夜、泊まるところなくて。 」
私の服の袖をぎゅっと引っ張って下を向く。
…あぁ、面倒事には巻き込まれたくないから無視したかったのに。
幸い次の客の予約は入っていない、帰れるっちゃ帰れる状態だけれでも。
それにしてもどこか見覚えのあるその顔。
じっくりとその顔を見るとまぁ整ってる、ただの美形男子だ。今流行りの塩顔で品のある、所謂薄顔イケメンのような……。
だけど、年下の知り合いなんて私にいたっけ、
ぐるぐると思考を巡らせ思い出を蘇らせる。
………あ！
この子、近所に住んでいた光輝くんだ！
思い出した思い出した、昔はAお姉ちゃん！って言いながら後を追ってきたっけ…。それが今や、こんなになってしまったのか。
「 お姉さん……。 」
きゅるんと潤んだ目で見つめられてしまえばもう手遅れ。こいつ中々に確信犯だな。
「 …分かった。とりあえず一晩は泊めてあげるから。」
その言葉に目を輝かせる彼を見て心の底からため息が出る。私は随分と面倒な案件を引き受けてしまったらしい。
傘を持たせて少し待つように言うと忠犬のごとく、ぴたりとそこから動かなくなった彼。急いで事務所に入ると、店長に帰ることを伝えて荷物を纏めた。
マンションに着くと物珍しいように辺りを見回す光輝くん。顔は随分と大人びているのに行動から分かる幼さ、そっか彼はまだ高校生なんだもんね。
「 お姉さん、一人暮らしなんですね。 」
お姉さん、何だかその呼び方に若干の壁を感じてしまう。
この子本当に覚えてないんだなぁ、って少し残念。
たった数年前は私の後を小さい体で追いかけてきてくれたのに、今は目線も変わらないければ多少男らしい色気まで兼ね備えてしまっている。これからどんどん大きくなっていくのだと思うと少しだけ焦燥感が募っていった。
「 彼氏居ないんですか？ 」
「 凄いぶっ込むね、見ての通り居ないよ。 」
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名無し29860号(プロフ) - 最高に好きです！！！続き楽しみです！！！ (2021年5月22日 12時) (
レス) id: d2c23612bb (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん - もう設定から好きすぎます！めっちゃ楽しみにしてます！！ (2021年4月2日 3時) (レス) id: 26a54ff7bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱ た(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: 99d7cdb867 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃよかったです！黒田くんの小説が読みたいなと思った時にこれを見つけて「よっしゃー！！！」ってテンションが爆上がりしましたwwこれからも更新頑張ってください！ (2020年9月26日 14時) (レス) id: 1767363814 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 黒田くんにあじは私得すぎました、、！ずっと楽しみにしてた黒田モノ(言い方)なのでとっても楽しみです！！！ (2020年9月16日 6時) (レス) id: 80c92d0d93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年9月16日 4時
