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もう一度スマホのロックを解除する
既読のつかないトーク画面が 、 俺の焦燥感を駆り立てた
佐久間「 俺 、 Aちゃんの家知ってるよ ? 」
阿部「 は? 」
佐久間「 ほら 、 Aちゃんのうちのマドンナじゃん? 追跡班やら尾行班やらが家特定してるんだよね 。 」
そう言うとスマホをいじり出して 、 1枚のスクリーンショットを見せてくれた
住所と 、 そしてその家の外観が記されている
阿部「 ……… 個人情報ガバガバだな 。 」
佐久間「 でも良かったでしょ ? 」
なんてニヤリと笑われてしまえば俺はもう何も言い返すことが出来ない
阿部「 ありがとう 。 」
また宿題写させてね?と小悪魔のような微笑を浮かべる佐久間の頭をコツンと叩いてやった
その後の授業は全く集中出来なかった
流れる雲を見つめては 、 溢れるため息
雲に乗ってそのまま彼女の元へ行けたら良いのに
俺の心はどんどん狂わされていった
「 ………どうしたの? 」
5限終わり 、 俺は早急に彼女の家へと向かう
控えめにインターホンを鳴らすと 、 驚いたように出てきたA先生
お見舞いというていだから 、 左手には一応スポーツドリンクとみかんゼリー
彼女は呆れたように 、 だけど切なくも嬉しそうに笑った
阿部「 … 来ちゃった 、 」
玄関で立ち尽くす俺を急いで中に入れると 、 玄関のドアを閉めた
当たり前だけど 、 初めて足を踏み入れるA先生の家
そこは予想とは大きく反して 、 とてもシンプルだった
それでいて 、 こざっぱりとしている生活感があるようで無い 、 そんな部屋
阿部「 先生 …… 俺 、 寂しい 。 」
不意に出た言葉は 、 彼女への心配の言葉でも無ければ労りの声でも無い
自分本位で身勝手な 、 己の感情
彼女はいつもの身体の線がくっきりと出るようなスーツと違って 、 ゆったりとしたワンピースを着ていた
パステルグリーンの優しい色合い
彼女は 、ふわりとそのワンピースをなびかせると俺の方を向く
「 私にハマっちゃった ? 」
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星架.(プロフ) - や、もう本当にFON様の作品好きです…佐久間さんの作品あたりから?ずっと読ませていただいてて、世界観に引き込まれるのが本当に凄いなって思います!私もいつかこんな作品を書ける様になれたら…なんて思いますがまだまだです、笑これからも応援しています!! (2020年7月20日 5時) (レス) id: 9669b3c911 (このIDを非表示/違反報告)
チャケップ(プロフ) - とても面白かったです! このような作品を作ってくださりありがとうございます!! (2020年7月20日 1時) (レス) id: 6f611996d1 (このIDを非表示/違反報告)
∞モンブラン∞(プロフ) - ビッチちゃんから飛んでいろんな作品を読ませて頂いておりますが、本当にどの作品も素敵で惹きつけられる物があるなと思える素敵な作品をありがとうございます! これからもFONさんの無理の無い範囲で色んな作品を書いていって欲しいなと思います! (2020年7月19日 23時) (レス) id: 9849a2eec9 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 苺さん» コメントありがとうございます!そんなこと言っていただけて嬉しいです;_;無事に完結しました、最後までありがとうございました! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 神山侑李さん» コメントありがとうございます!無事に完結しました!!最後までありがとうございました! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FON | 作成日時:2020年7月11日 13時