#13 心の拠り所 ページ13
*
それなのに ､ 俺は
阿部「 ………ごめん ､ 用事思い出した。 」
佐久間「 ちょっ ､ 阿部ちゃん ！？ 」
佐久間の声を振り切って ､ 教室を出る
向かう先は既に分かっていた
嫌なほど軽い足取り
走るスピードと共に加速していく鼓動
自分でも理解し難い行動を取っていることなんて明白だった
何やってんだ ､ 俺
それが罠だと分かっていても
俺は ､ 行ってしまうんだ
貴方に逢いに
「 あ ､ 亮平くん ｡ ……いらっしゃい 」
天国に堕ろされに
のこのこと ､ 馬鹿みたいにやって来てしまうんだ
阿部「 来ました…… ｡ 」
放課後の理科室は当たり前だが ､ 誰も居なかった
机に腰掛けるA先生を除いて
「 何か ､ 随分と思い悩んだ表情してるね？ どうかしたの ？ 」
決して露出が多いわけじゃない
なのに ､ 緩やかにカーブを作るようにして膨らんだ胸や
女らしい其の腰周りのくびれ
太ももの形がしっかりと分かるようなタイトスカート
その全てに目が釘付けになる
あー ､ 皆の言っていた意味ようやく分かったかも
確かに ､ 思春期の前にこんな女が居たら誰だって好きになるよ ､ 仕方ない
其れでも俺は ､ 厭らしい気持ちとはまた別に ､ 何故か安心感を抱いていた
阿部「 …俺 ､ このままで良いのでしょうか ｡ 」
ふと呟いたのは ､ 悩める子羊のような一文
何が ､ とも
何で ､ とも
何も説明がない ､ 主語も述語も無いような淡々とした文字羅列
だけど彼女はその言葉の意味を汲み取ったようで ､ 悲しそうに口を開いた
「 人のレールに従って歩くことが君の言うところの ”自立” なの？ 」
このままで良いのか分からなかった
A先生に着いてって ､ 惑わされて ､ 狂わされていくような低俗な人生
『 … 俺は ､ 貴女みたいな大人には絶対になりたくないだけです ｡ 』
俺は自立したかった
キラキラした大人に ､ 皆から羨望の眼差しで見られるような大人に
阿部「 でも母さんが ､ 」
「 いつまでもママの言うこと聞いて ､ それを盲目的に信じて ､ それが君の言うところの理想の大人像なの？ 」
*
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星架．(プロフ) - や、もう本当にFON様の作品好きです…佐久間さんの作品あたりから？ずっと読ませていただいてて、世界観に引き込まれるのが本当に凄いなって思います！私もいつかこんな作品を書ける様になれたら…なんて思いますがまだまだです、笑これからも応援しています！！ (2020年7月20日 5時) (
レス) id: 9669b3c911 (このIDを非表示/違反報告)
チャケップ(プロフ) - とても面白かったです！ このような作品を作ってくださりありがとうございます！！ (2020年7月20日 1時) (レス) id: 6f611996d1 (このIDを非表示/違反報告)
∞モンブラン∞(プロフ) - ビッチちゃんから飛んでいろんな作品を読ませて頂いておりますが、本当にどの作品も素敵で惹きつけられる物があるなと思える素敵な作品をありがとうございます！ これからもFONさんの無理の無い範囲で色んな作品を書いていって欲しいなと思います！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: 9849a2eec9 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 苺さん» コメントありがとうございます！そんなこと言っていただけて嬉しいです；＿；無事に完結しました、最後までありがとうございました！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 神山侑李さん» コメントありがとうございます！無事に完結しました！！最後までありがとうございました！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FON
| 作成日時：2020年7月11日 13時
