− 淘汰

・ ページ47

*












人間………選択？

それってつまり『人間』が何者かによって、取捨選択されるってこと？























「 嘘、まさか、………… 」















その瞬間、息が詰まる
体が固まった




やっぱり、そうだ
私の嫌な予感は当たっていた

唐突に吐きそうになるそれを必死に抑えて、どうにか呼吸を整える
























佐久間「 今の第1王子……松村の父親である国王は、その時の研究員に依頼をした。

要らない人間は姿を変えさせ、そして人間に絶対服従をする魔物にしろ、ってね。 」


















目の前が真っ暗になった



鈍器で殴られたような衝撃

背筋が凍る

全身を襲う寒気


聞きたくない、嘘だ、嫌だ、信じくない、







そして佐久間が徐に

だけど確実に、その口を開く






































佐久間「 俺たち使い魔は、元は人間。

要らなくなった人間なんだよ。 」



















” 使い魔は、人間の食事とか取らないんですか？ ”


” はい。お腹も空きませんし睡眠も必要として居ません。羽を所持しているため、空を飛び回り住居を持たないものがほとんどです。 ”
















「 そんな……… 」













” 使えない人間は捨てられちゃうから、 ”












「 嘘だ…… 」
















” 歴史は皆、残酷ですが。 ”







思い返してみれば、あの日
阿部さんの研究所で私は人間かと見間違うホルマリン漬けになった使い魔を見た






” 確かに使い魔と言われればそうとも見えるしだけど人間にも形が似ている。使い魔は元々人間と似ているとは思っていたけれど、ここまで似ていると少し気味が悪い。 ”


” まるで人間がホルマリン漬けになっているのかと思ってしまい、どうしようもなく怖い
説明を聞いてもやはり、人間に見えてしまうのは何故だろうか ”








私のあの時の感性は間違っていなかった
あれは、あれは………人間だった、？






















佐久間「 頼まれた当時の研究員は……阿部ちゃんのお父さんだったんだ。 」
















動揺を隠しきれない私をよそに、佐久間が淡々と言葉を続ける

阿部さんは帝都の3代目の科学者と言っていた
つまり、2代目が作り出したのか





食糧難を解決するために、人間を使い魔に作り替える、それを











*

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す