− 淘汰

『 冷めた壁 』 ページ34

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ジェシー「 今夜の夕飯は、北斗様とご一緒になります。」










あの後無事に城へ戻ると、丁度ジェシーさんに呼び止められた

時間的には多分間に合っている
それでも教育係として、一応伝えに来てくれたのだろう
付き添ってくれた蓮と康二にお礼を言うと、そのまま笑顔でお別れをした














北斗様との夕飯は１週間に１回程度
それ以外は基本的に、各々で食事というスタイルだった


現世にいた頃は、社会人になってから一人暮らしだったしずっとひとりきりの夕飯で
だから、そのスタイルは別に慣れているから良いんだけど

ジェシーさんやラウールくんに見守られながら食べる食事は、どうも緊張してしまう
食べ物が喉に通らないことが何度もあったのに、それに加えて北斗様も居るとなると私的には既に億劫極まりなかった
















「 遅くなりました。 」












ジェシーさんに事前に聞いたところ
今日は、挙式の準備について話し合いたいらしい

私たちが結婚することはもう決まっていて
あとは日程と工程と、その他諸々を決めるだけだという





正直こっちの世界のルールとか分からないから、全部任せたいんだけど
それはいけません、とジェシーさんにさっきたしなめられたばかりだった














北斗「 この世界には慣れたかい？ 」


「 えぇお陰様で。 」












器用にフォークとナイフを使って肉を切っていく北斗様

流石、この国の時期王様とだけあって所作がきちんとしている
私も負けじと、ジェシーさんに習ってきたように品よく食事にありついた














「 今日は挙式についてお話を進めたいと伺ったのですが……。 」


北斗「 あぁそれね。 」














だけど北斗様は明らかに乗り気ではない

そんなの、長年一緒に居たからとかそんなの必要ないくらいに明確に分かってしまう







面倒くさいからだろうか
それならまだいいけど、何か彼も隠している…？

















「 北斗様が私を異世界から呼び出したのって、この世界の女では満足出来ないから……でしたっけ？ 」


北斗「 そうだけど…何か言葉にされると、俺最低な奴だね、笑 」








そう言って北斗様は、取り繕ったようにはにかんだ











「 もしかして、私じゃご不満ですか……？ 」









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