・ ページ19
*
阿部「 多分、異世界の姫様が驚かれるようなもの………沢山置いてありますよ。 」
楽しそうにそう言うと
彼は、2人分のコーヒを用意し始める
言葉の意味が分からず
それでも気になった私は少し周りを眺めた
カフェインの心地の良い匂いが、無機質な部屋に蔓延する
そして私の視線は、
「 ………人間、？ 」
ホルマリン漬けになっている "何か" に釘付けとなった
阿部「 人間なわけないでしょう、笑 」
私の質問に対して、彼は呆れたように
だけど繕った笑顔で対応した
彼は私が人間だと勘違いしたその物体へと近付き
ガラス板を叩いた
阿部「 使い魔です。生態を調べるために研究中なんですよ。 」
………これが使い魔？
確かに使い魔と言われればそうとも見えるし
だけど人間にも形が似ている
使い魔は元々人間と似ているとは思っていたけれど
ここまで似ていると少し気味が悪い
まるで人間がホルマリン漬けになっているのかと思ってしまい、どうしようもなく怖い
説明を聞いてもやはり、人間に見えてしまうのは何故だろうか
阿部「 気になるようでしたら、図書館に行ってみるといいでしょう。この世界での沢山の知識が身に付くかと思いますよ？ 」
彼は螺旋階段の方に、私の背中を押した
そうか
もう行けということか
「 分かりました、長々と居座ってしまいすみません。 」
阿部「 いえいえ、こちらこそ楽しかったですよ。 」
全く感情の篭ってない言い方
やっぱりこの人は何を考えているのか分からない
底知れぬ恐怖を感じる
彼に見送られながら、また長い螺旋階段を登った
下りも辛かったのに
上りとなれぱもっときついだろう
明日筋肉痛にならないといいなぁ…なんてそんな野暮な願い
後ろを振り向くと
彼は私が地下から出るまでずっと見送るつもりか、ずっと私の方を見上げていた
電子音が聞こえる
多分さっきのホルマリン漬けになっていたあの機械から聞こえてくる音
それと私の靴の音
阿部「 歴史は、残酷ですよ。 」
だけどここは響き渡る
彼の独り言は、確実に私の耳へと入っていた
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1890人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
FON(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» 優しいお言葉をありがとうございます；＿；ただいま移行しましたので後半戦も宜しくお願いします！ (2020年9月14日 12時) (
レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新作いそがなくても大丈夫ですよ！FONさんのペースで頑張ってください！ (2020年8月30日 7時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - aoiさん» コメントありがとうございます(^^)わぁ嬉しいです！！後半戦も楽しんで頂けるように頑張りますので移行後も宜しくお願いします！ (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 蕾華さん» コメントありがとうございます(^^)えーんそんなこと言っていただけて光栄です；＿；これからもお互いに執筆活動頑張りましょうね！移行後も宜しくお願いします！ (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» コメントありがとうございます(^^)そんなこと言っていただけて嬉しい限りです！これからもお互いに執筆活動頑張りましょうね；＿；！ (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：FON
| 作成日時：2020年4月21日 12時
