1『 空間を切り裂いた 』 ページ1
*
「 はぁっ、はぁっ、……… 」
深い森の奥
体内時計はきっと夜中の2時
追いかけてくるのは謎の化け物
「 ひぃっ、 」
本当に突然だった
いつもの仕事帰りに、電車を待っていたら
誰かに背中を押されて線路に突き落とされた
誰かに逆恨みされるような記憶はない
ホームを見上げてみると千鳥足のサラリーマンがフラフラ歩いている
どうして自分が?と困惑している間に、目の前に迫ってきた電車
人の叫び声
レールが擦れる摩擦音
見知らぬ誰かのシャッター音
全てのものが私の感覚を研ぎ澄ました時
何故か私は痛みを感じなかった
目を覚ますと、目の前には煌びやかな室内が広がっていて
3人の男が嬉しそうに私を眺めて笑っている
───姫、向こうの世界から連れてきてしまいました
何を言っているのか分からず固まったままの私
轢かれていない?
死んでいない?
そんな事よりも真っ先に頭に思い浮かんだのは、"まさか今流行りの悪役令嬢トリップ小説か?"
という完全に夢物語な思考回路
だとしたらこれからどうなるんだ
何も考えずに、私は叫んでその城を飛び出してしまった
今考えてみると、それが運の尽きだったと言えるだろう
走って走って、そして城を抜け出した
案外足が速かったのかも
なんて甘い考えは、この怪物に追われてから一瞬で消えた
現実世界では見たこともないような化け物
気持ち悪い鳴き声に、歪な体
どこからどう見ても 怪物そのもの
「 ちょ、来ないで!本当に! 」
助けて、誰か
喰われる………
足を滑らせて転んだ、そいつは既に真後ろ
襲いかかってくる怪物
何とか間一髪避けた
あぁでも、もうおしまいだ
脚は棒みたいで走れる気がしない
上から葉っぱが落ちてきた
恐る恐る見上げると……
木の上に誰かがいる?
「 あ、あ、!あの、! 」
?「 にゃ? 」
眠たそうな返事
それでも確実に人間と分かる男の声だ
正直期待はできない
だけど、藁にもすがる思いだった
「 た、助けて……ください、 」
*
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FON(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» 優しいお言葉をありがとうございます;_;ただいま移行しましたので後半戦も宜しくお願いします! (2020年9月14日 12時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
如月ヨシノ。(プロフ) - 新作いそがなくても大丈夫ですよ!FONさんのペースで頑張ってください! (2020年8月30日 7時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - aoiさん» コメントありがとうございます(^^)わぁ嬉しいです!!後半戦も楽しんで頂けるように頑張りますので移行後も宜しくお願いします! (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 蕾華さん» コメントありがとうございます(^^)えーんそんなこと言っていただけて光栄です;_;これからもお互いに執筆活動頑張りましょうね!移行後も宜しくお願いします! (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» コメントありがとうございます(^^)そんなこと言っていただけて嬉しい限りです!これからもお互いに執筆活動頑張りましょうね;_;! (2020年8月27日 23時) (レス) id: 916dce426a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FON | 作成日時:2020年4月21日 12時