− 淘汰

『 現実 』 ページ31

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ジェシー「 ……今日はここまでにしましょうか。」











ジェシーさんとの勉強会が終わったのは、意外にも夕方前
まだ昼下がりと言える時間だった

いつもは夜まで勉強をして、そしてそのまま夕飯……といった流れだったから
下手にいつもと違うと、何だか調子が狂う






さて、このスキマ時間を何に使おうか


夜は北斗様と夕飯をご一緒するように言われているから、そんな長丁場になってしまうようなことはできない

となると、図書館も行けないし
だからといって丸腰のまま地下の研究室へ行くのは無謀すぎる





















向井「 あ！姫さん！！ 」










悩みながら歩く長い廊下

声をかけてきたのは、大我様の使い魔の康二だった
隣には、気だるそうな蓮の姿


いつもはご主人様のすぐ隣にいる使い魔なのに、この時間は大我様の傍に居ないんだ














目黒「 佐久間くんが、Aちゃんを外に出してやれって。 」











不思議そうに見つめていたことに気が付いたのか、蓮が口を開く




佐久間？
そういえばさっき、そんなようなことを言っていたような……



へー、佐久間にしては仕事が早いじゃん
というか、また勝手に外に出られて自分が責任を持つのが嫌なのだろう
今回はお言葉に甘えちゃおうかな



2体が差し出してくれた大きな手を取り、私は城を出た



























「 うわぁ……凄い、 」








帝都の街に出かけるのは、2回目
悪魔に追いかけられた日も含めれば3回目だけど、あれは思い出したくもないからノーカウント


それでも、やっぱり感動するものがあった


人と使い魔が、声を出して楽しげに笑い合っている
私を見て手を振ってくれる人や、話しかけてくれる人までいて

全体的に優しい空気で溢れていた











美味しそうな物や、可愛い洋服も売っていて思わずキラキラと輝いてしまう目
そんな私を見て、まるで親のように暖かい眼差しで見つめてくれる蓮と康二






実質ボディーガードのようなものだったけど、それ以上に楽しかった

佐久間が勧めるのもわかるくらい、2体は人間を楽しませるのが得意らしい










時刻は刻々と過ぎていっていて、いつしか夕日が陰っていた






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