# 育ててxxx ページ37
*
「 …ラウちゃん、どうしたの！？ 」
初夏、某日
久々の休日で風呂上がりにゆったりしていると、突然自宅のインターホンが鳴った
画面を確認すると、そこに立っていたのは可愛らしい我らがグループの最年少
ラウ「 文春に追われて…。 」
マスクをしていた彼を急いで部屋に招き入れて、鍵を閉める
時刻は深夜、日付を跨いでいた
一応彼は18歳未満で、この時間の単独外出は補導対象ではある
事情を聞くと、友人とこの時間まで遊んでいて今はその帰り道らしく
そこに偶然、カメラを持った大人と遭遇してしまったという
「 私の家に入るとこ撮られた方がまずくない？ 」
ラウ「 それだったらAちゃんが炎上するだけだから、僕平気。」
このクソガキめ
ラウ「 もっと家が近い人がいればそっちに行ったけど……目の前にあったのがここしかなかったんだもん。 」
彼をソファに座らせて、冷蔵庫の扉を開ける
紙パックを手にしてコップに注いだのは、果汁100パーセントのオレンジジュース
だけど彼はコップに触れることなく、私の方をチラリと一瞥した後、また下を向いた
ラウ「 ………そういう格好で思春期の前を歩かないでください。 」
紅潮した彼から放たれる言葉
そこでようやく気付いた
待って、私下着のままじゃん
風呂上がりで暑いからって、流石にこれで玄関に出たのは不用心すぎたかも
だけど、目線を逸らすラウちゃんが可愛くて仕方ない
こういう子ってどうも虐めたくなっちゃうのが私の悪いところ
「 ラウちゃんのそういう童貞感丸出しなところ、大好きだよ〜！ 」
なんていつもみたいに頭をポンポンするけど、
その手は一瞬で振り払われた
きょとんとする私
その振り払った右手を掴んで彼が壁に押し付ける
ラウ「 いつ僕が、童貞って言った？ 」
思いもしない言葉
秒針が聞こえるくらい静まり返った自室で、心臓がドクンと大きな音を立てた
まるで時が止まったのように
視線が絡み合って、逸らせない
年下から迫られることはあっても、流石に彼から迫られたことはない
あぁ、こういう時期が来てしまったのか
少しの寂寞と、だけど大半を占めるのは明らかな期待
空いていた左手で彼の後頭部を抑えて、唇を重ねる
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7090人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「紅一点」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：FON
| 作成日時：2020年4月3日 9時
