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ページ20

*









翔太は少しだけ私には過保護、というより佐久間に厳しいのかな?
そんなとこともちょっぴり好きなんだけど、……それよりも、問題は私の方を見つめるもうひとつの瞳だろう









宮舘「 ……佐久間とは、仲良くなれそうですか? 」









その声は酷く落ち着いていて、だけど感情は伴っていない





” ……いつか分かる日が来るといいですね。 ”






ふと、あの時の彼の言葉が蘇った
全く意味の分からなかった謎だらけの発言、だけどその意味が今ならはっきり分かるんだ












「はい、彼とは本当の意味で……分かり合えたと思っています。 」










使い魔は元人間…本当の意味で「従順」ではないという事実、これも全てこの世界の秩序でありそれを乱すのはご法度





だけど正直、私はこれだけが『淘汰』の現実だとは思っていなかった




” 私たちは平等でなくてはいけません。”






まだ何かある、そうでなきゃ阿部さんのあの色々と不可思議な言動に理由が付けられないからだ

ふと前を向くと、私の言葉に目を見開いて驚く涼太が居て










宮舘「 それは良かったです……是非、そのお優しい心で佐久間を支えてやってください。 」











そう言うと私の手の甲にキスをして、ニコリと笑った
その表情は、今まで見た彼の中で一番朗らかだったと言えるだろう





















4体に別れを告げると自室へと帰り、誰も居ないことを確認してそっとその扉に鍵を閉めた

一直線に向かうのは、本棚………のその裏側
ベッドの下や金庫など下手に隠す方がむしろ周囲にバレると思ったから、だからあえて沢山並んでいる本棚の後ろっ側にそれを置いておいたんだ





そこまでして私が隠したかったもの、それは図書館内にある立ち入り禁止の場所で手に入れた古い歴史書





奥から取り出すとそれは以前と変わらず、埃を被っており表紙さえ若干変色している

あの時はパラパラとめくっている最中に阿部さんが来てしまったため、きちんと最後まで読むことが出来なかったけれど……今度は誰もいない自室でそのページをゆったりと開く
そこには、びっしりと文字が埋め尽くされていた






だけどどのページにも悪魔の成り立ちや、使い魔の能力など、私が求めているものは何も書かれていない
やはり活字にして残すには危険すぎる内容だからだろうか…










*

・→←8『 歴史は語る 』



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hanako(プロフ) - 素晴らし過ぎて泣きました、、、作品として今まで読んだ中で感情を揺さぶられ納得がいき辻褄が合い、本当に面白かったし感動しました。そして色々考えさせられる内容で、心に響いてます。ありがとうございます。これからも他のお話楽しみにさせて頂きます。 (2022年7月6日 23時) (レス) @page50 id: 51201bff50 (このIDを非表示/違反報告)
るのあーる(プロフ) - 無料で読むには申し訳なさすぎる素晴らしい作品でした。本当に面白く、最大に考えさせられました。結末のスッキリさには感動のみです( ; ; )ありがとうございます、、! (2021年8月13日 23時) (レス) id: 9b0e8af300 (このIDを非表示/違反報告)
べぺ(プロフ) - なんなんこの作品…凄すぎる…。読んでて凄い楽しかったし、考えさせられるような言葉もあり、凄く読んでて面白かったです。完結おめでとうございます。 (2020年11月21日 17時) (レス) id: fc36e1dc04 (このIDを非表示/違反報告)
ルナルナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも完結している物語しか読まないのですが…こんなに更新を待ち遠しく思える作品は初めてでした!この作品で、佐久間くん担になりかけています(笑)佐久間くんのお話もっと見られたら嬉しいです(*´∀`)♪これからも応援してます! (2020年11月17日 12時) (レス) id: 01e3878cdd (このIDを非表示/違反報告)
kinakaren(プロフ) - 完結おめでとうございます。「“既成概念”を、ぶっ壊せ。」この一つの言葉の中にどれだけの破壊力があるのかを知りました。また、主従関係とか関係なく人間と使い魔との間にある愛にとても神秘を感じました。こんなに心動かされるお話は初めてでした。お疲れ様でした! (2020年11月15日 10時) (レス) id: 8d24ffc7c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:FON | 作成日時:2020年9月14日 12時

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