− 淘汰 ２

『 見つけたら、殺せ 』 ページ13

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悪魔討伐とは、本来悪魔を倒すだけではなく悪魔の生態を調べる調査のようなものだと教えてもらった


それなのに何故、悪魔を倒すだけなのか


生け捕りなど何らの方法をとればきっと、人類の明るい未来が待っていると思うのに
北斗様もとい、その他王族の人間は決してそれを許さなかった

” 悪魔を見つけたら殺せ ”

命令はたったそれだけ




そのことに不思議と疑問を抱くようになったのは、佐久間たち使い魔が『元は人間』という事実を知ってからだろうか



















「 ねぇ佐久間、本当に大丈夫なの？ 」












人間は使い魔に乗って移動をする
今回の討伐場所は帝都の街にも程近い森林の中、私も何度か悪魔に遭遇したことがある因縁の場所だ



佐久間の羽は、薄桃色が綺麗にグラデーションを重ねている大きな翼である

その背中に乗せてもらえるのは今回が初めてのこと、いつもの遠征の時は佐久間が勝手に行動するから私は別の使い魔に乗せてもらうことが多かったから


















佐久間「 知らねぇ。…だとしても俺に拒否権はねぇよ。 」












牢獄の中で過ごすことを余儀なくされた佐久間、久しぶりの外出は今回の悪魔討伐だった

反逆罪のレッテルを貼られて殺されなかったのが救いか、それでもまともな治療も受けさせてもらえず身体は見るからに痩せこけていて、こんな状態で使い物になるとは到底思えなかった





















深澤「 俺が向こうのエリアの時間軸を遅くするから、その間に照は蹴散らして。 」


岩本「 言われなくても分かってる。 」












北斗様の使い魔が先頭にたって指揮をとる
残りの使い魔も彼らの指示に従うようにして、陣地に着いた

















北斗「 ぼさっと突っ立っているために呼んだ訳じゃない、さっさと悪魔を殺してくれ。 」












北斗様の冷淡な声が私の元へと届く

しかし、佐久間はそれでなくてももう体力がほとんどない
よほど何か言い返そうかと思ったけれど、身を乗り出したタイミングで佐久間がそれを制した

















佐久間「 大丈夫……空間、曲げるくらいだから、 」













今にも消え入りそうな声、私がここで何かを言ったらまた佐久間が酷い仕打ちを受けるのではと思ったらそれ以上もう何も言えない

ただただ彼らの行動を傍から見守るしかなかった











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