入居条件：Ｂ型

# B型は熱に弱い J. ページ29

→←








「 もう……すぐ戻ってくるから、ね？ 」






頭を軽く撫でて、なだめようとするが樹くんは手を離す気がない


申し訳ないと思いながらもどうにか振り払って、そして部屋を出た









￣￣￣
￣￣
￣










「 樹くーん……、って、寝ちゃった？ 」











作ったのは、一般的なお粥
猫舌な樹くんのために、少し冷ましておいた






なのに部屋に入ると、しんと静まり返っていて
寝息さえ聞こえる

余程、しんどかったのかな


それでも食べてくれないと体力落ちちゃうんだけど、


























樹「 どこにも行くなって行ったじゃん。 」













急に腕を掴まれたかと思うと、樹くんの腕の中にすっぽりと収まった





熱のせいで汗ばんだ皮膚が私に密着する


ちょうど耳の近くにある樹くんの心臓が凄い勢いでどくどくと音を立てていた



















「 樹くん。熱い、移る、力寄らないで。」














それでもこんな所でずっと働いていたら いやでも男に免疫がついてしまうわけで


冷静に対処して、どうにか胸板を押して脱出を試みるも


















樹「 ……やだ、 もう離さないから。 」













樹くんは動く気配がしない


厄介だ……ここの住人はやはり厄介だ……

















「 お粥、冷めちゃうから。とりあえず食べよ。 」












ね？、と 頼み込むと

樹くんもお腹が空いていたのか渋々私を離した











樹「 美味しい…… 」


「 ふふ、良かった。 」










バクバクと食べるその姿を見て一安心

ただの風邪なら薬を飲んで体力を着ければどうにかなるでしょ






















樹「 もうちょっとここにいてよ。 」








綺麗に食べ終わった樹くんを、ベッドに寝かせる









「 私もやることあるんだけど、 」









今日の樹くんはいつになく甘えたさんらしい


というか、弱っているだけかもしれないけど














樹「 俺が寝付くまででいいから、 」


「 はいはい、笑笑 」













ベッドサイドに座り、彼が寝付くまで頭をぽんぽんと撫でていた





















# AのB型住人メモ



・今日の樹くん可愛い
・次の日元気になった樹くんはやっぱりうざかった
・年中風邪なら良いのにって言ったら悲しまれた
・ごめんね樹くん









→←

# B型は嫉妬深い T.→←# B型は熱に弱い J.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す