君は佐久間の嫁だから！

#33 ページ33

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佐久間ごめん仕事が長引きそうで……。



佐久間今日は家まで送ってあげられないや、本当にごめん。












仕事終わりにLINEを開くと佐久間からの通知が入っていた



ひとりで帰るなんて久しぶり
もしかしたら、こはるが倒れて以来初めてかもしれない








Aこっちは大丈夫だよ、お仕事頑張って!








少し不安は残るけれど、今までだってこうやって生きてきたんだ

最近は佐久間に頼りすぎていた気がする
私はひとりでも大丈夫大丈夫
きっと平気





どうにか自己暗示をかけて、現場をあとにした


















「 うーん………後悔、 」








思っていたより道が暗すぎる

いつも佐久間といたせいかもしれないけれど、今夜の道はあまりにも静けさを保ち続けているし
何より街頭がほとんど機能していないに等しいくらい光っていない















そんななか、後ろから足音がコツコツ聞こえた









また来た
だけど、いつも聞こえるだけで終わる




今回も大丈夫
真っ直ぐ家に帰ればいい、それだけ



















「 ………！ 」









なんで…………
……おかしい、




足音がどんどん早くなってきている気がした






こんなこと今までに1回もなかった


いつもそのスピードは私の足音に合わせるかのように一定だった











なのに、何で今はこんなに速いの…？














背中にぞわっと悪寒が走る

怖い怖い怖い怖い怖い

誰かがいる、誰かが私を追っている





尋常じゃない冷や汗

止まらない脚の震え

思わず生唾を飲み込んだ














「 …、まずい、 」









家までまだだいぶ距離がある

それなのに、後ろの人との距離はいつもよりだいぶ近い気がした






後ろは振り返っていないから何となく、本当に直感だけど

気配を感じるんだ

嫌な空気感


間違いなくあのストーカー









足音はどんどん近付いてくる

殺される殺される殺される










「 ひぃっ、 っ！ 」













肩を叩かれた

石のように硬直する私の身体と、それと反するように震える私の脚










どうか知っている人であってくれ


























そんな願いも虚しく、振り返った先にいたのはフードを被った大男





顔は見えない





だけど、確実に知らない人


















ストーカーの犯人だった









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