# 怒ってxxx ページ47
*
ぴしゃりと、照が私に言い放った
岩本「 お前、やる気あんの？ 」
照、言い過ぎ
重たい空気の中、そんな言葉が周りから聞こえてくる
今日は、映画滝沢歌舞伎の稽古中だった
「 ごめんね、 」
” 女の子だから ”
それを言い訳にはしたくないけれど、メンバーよりも体力がない私はこういう場面でいつでも足でまとい
滝沢歌舞伎の練習が始まってから、ずっとこうだった
いや、今回に限ったことではない
舞台やコンサート前になると、毎回これ
思うように体がついていかなくて、どんどん皆と差が開いていって、気付いたらこんなふうに怒られていて
これ以上空気が悪くならないように、作り笑いをして謝る
だけどそれが余計に彼のカンに触ったようで、軽い舌打ちが聞こえてきた
岩本「 もっと真面目にやれよ。 」
女の子だからってチヤホヤされて、いつでもふざけ合って
本来、私たちはそんな関係じゃない
アイドル、そしてただのメンバー
私たちは仕事をしているのであって、遊びに来ている訳では無い
そんなこと分かっていたはずなのに
ここ最近の私は、相当プロ意識が低かったのかな
「 ごめんね。今のところ、もう1回最初から出来る？ 」
泣いている暇はない
それに女の子だから泣けば許されるとか、しゅんとすればどうにかなるとか
そんな甘ったれた風潮大嫌いだし
私は私だ
女という、ただの画一的なグループ分けに、一括りにされてたまるもんか
￣￣￣
￣￣
￣
「 みんな、お疲れ様ー！ 」
今日の稽古が終わり、各々が帰り支度を始める
A帰らないの？という言葉を無視して、ひとり自主練に取り組む私
女だからって負けたくない
弱い所を見せたくない
岩本「 ……帰るぞ。 」
「 あと少ししたら、 」
岩本「 やりすぎは逆に体に毒。しかももう、ここ閉めるから。 」
そう言われてしまえば、逆らうことは出来なくて
汗ばむ体を浄化しようと、備え付けのシャワーを浴びた
目の前がクラクラしそうになるほど、憂鬱なシャワールーム
しっかりと身を清めて1人で帰ろうとすると、何故かまだそこに照がいて
岩本「 少しだけ話がしたい。 」
*
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作者名：FON
| 作成日時：2020年7月3日 6時
