# ページ38
*
典型的なB型
それが良いという人も居るけれど、こちらから言わせてみれば、そんなことまるで思わないわけで
正直、翔太はSnowManの中で、一番女心を分かっていないと思う
今までどんな女関係を築いてきたのか、頭を抱えてしまう程
「 てか、この車どこ行くの？ 」
車は見覚えのない道を進んでいく
いや、見覚えはあるんだけど……私が行きたい方向ではなくて
翔太はこららに見向きもせず、淡々とした口調で言葉を繋いだ
渡辺「 俺ん家。 」
うわ、やっぱり
嫌な予想が的中して、思わず出るのは重たいため息
「 は？………私の家にしてよ、明日も早いんだし、 」
何だか今日の私は喧嘩腰
だけど、それは言われた本人が一番感じ取っていたらしくて
渡辺「 最近のお前冷たくない？ 」
「 気のせい。 」
渡辺「 気のせいじゃねぇよ、こっち向けって。 」
車は、また信号待ち
翔太の言葉と同時に
強制的に振り向かされる私の顔
近付いてくるのは、翔太の唇
だけど決してそんな荒々しいものではない
優しくふんわりとしたフレンチキスだった
唇が離れた途端、聞こえてきたのはムードも雰囲気も無いような声で
渡辺「 ……やばい、やりたい。 」
「 は？ここ道路だよ？ 」
渡辺「 やだ、待てない。 」
それは、以前の私のよう
カラオケの時、私も同じようなセリフを言った気がするが、これはその時の私の真似をしているのか
だとしたらこいつ、相当性格が悪い
「 ちょっと、とりあえず……ほら、青だから。 」
前科があるため、何も言い返せない私
それを肯定の意味だと、いいように捉えたら彼が、近くの駐車場に車を停めた
周りには車がチラホラ止まっている
夜空の光が厭らしく車内を照らした
渡辺「 たまには、俺に身を任せてみなって。 」
───
渡辺「 ……車の中って案外狭いね、 」
むさ苦しい車の中
終わったあと、彼がぽつりと呟いた
「 狭いおかげで、強制的にイラマされなくて良かったよ。 」
なんて笑いながら言うと、彼はきょとんとしている
渡辺「 女ってああやって無理やりされるのが好きなんじゃねぇの？ 」
「 あんたビデオの見すぎ。 」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7066人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：FON
| 作成日時：2020年7月3日 6時
