# 騙されてxxx ページ33
*
「 ねぇ、ラウちゃん……正気？ 」
PM 18:30
家具や雑貨が、幾分か乱雑に置かれているのは、私の部屋
そして、背中には壁
目の前にはラウール
空調の音と、蝉の声
雑音と邪念が、私たちを包み込む
ラウ「 1回も2回も変わらなくない？ 」
「 私は別にいいけどさ………。 」
サンリオピューロランドでの収録帰り
成人済みのメンバーは、飲みに行こうとかご飯食べようとか言う中
私はあんまり気分じゃないこともあり、断っていて
まっすぐ家に帰ろうとしたら、何故かラウちゃんに呼び止められた
一緒に帰りたい、とは言われたけど
Aの家に、とは一言も言われていない
何でちゃっかり私の隣を歩いて、私の部屋にいるのか、未だに不明である
「 ラウちゃんって、私のことが好きなのか嫌いなのか分からない。 」
ラウ「 好きだよ。…って言ったらどうする？」
「 年上を弄ぶな。 」
この子はどうしてこう、小悪魔チックなのだろう
男を翻弄するのは好きだけど、男に翻弄されるのは好きではない
ましてや、年下にからかわれるなんて論外なわけで
ラウ「 それを言ったら、Aちゃんの方こそ分かんないよ。やたらと僕にベタベタする癖に、僕から近付いたら逃げるじゃん。 」
だけど、彼は随分とご立腹な様子
「 いや、……だって、 」
ラウ「 狩猟本能的な？俺のことはゲーム感覚なの？ 」
自室に未成年と2人きり
前回はやむを得ない事情があった、いわば不可抗力だったわけで
しかし、今回は違う
言い訳の仕様の出来ない現状にも関わらず、彼は笑顔のまま言葉を続ける
ラウ「 今夜は俺が攻めてもいい？ 」
「 駄目。 」
ラウ「 は？何で？ 」
それでも、こういうところで余裕を無くすのはやっぱりまだ未成年って感じがするし
いかにも高校生って感じで、何だか可愛らしい
「 とにかく、駄目なものは駄目なの。 」
ラウ「 僕はこんなにAちゃんのことが好きなのに？ 」
言うが早いか、突如、きゅるんとしたその大きな瞳がうるうると光りだした
瞬間、時が止まったのような感覚に陥る
嘘、………泣いてる？
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7066人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：FON
| 作成日時：2020年7月3日 6時
