# ページ19
*
深澤「 でもお前辞める気ねぇんだろ？ 」
「 何を？ 」
深澤「 そのキャラ。 」
「 キャラって言わないでよ、性格なの。これが。 」
そう言って、今度はぐびっとアルコールを身体に入れた
そういえば、照にもう酒は禁止って言われたっけ
まぁ他人の言うことなんて、元から聞く気更々ないけどね
深澤「 そっかそっか、性格なんだもんな。それなら仕方ない。 」
ふっかは、途端にニヤリと口角を上げると
ひとりで何度も頷いて、嬉しそうにうんうんと言っている
あーこいつ、何か変なこと考えているなぁなんて本当に丸わかりで
深澤「 嫌なことあった時は、楽しいことシテ忘れるのが鉄則だろ？ 」
やっぱり
ふっかも男だし、私も女
元からこうなることは予定して家には来た
大きく広げられた両腕に包まれたいから、
スミノフをテーブルに置いて蓋を占める
深澤「 ほら、ベッドおいで。 」
そのお誘いに、素直に従った
───
「 今日は中に出さなくて良かった。 」
深澤「 前回の失敗を踏まえて、今回はきちんとゴムを用意させて頂きました。 」
この季節は、終わったあとに風に当たらないとやっていられない
暑い、死ぬほど暑すぎる
「 そう言えば、あの日からまだ生理来てないんだよね。 」
深澤「 は！？！え？！？ 」
「 嘘だよ、ばーか。 」
思ったよりもオーバーリアクションだったふっかに、少しだけ嫌悪感と寂寞感を抱きつつも
「 責任取る気ないのに辞めてよね、本当に。 」
そう言って、リビングまで残ったお酒を取りに行った
唐突な静寂が辺りを包む
彼が私の背中に向かってぽつりと呟いた
深澤「 取れるもんなら取りたいけどね。 」
「 ……何か言った？ 」
深澤「 何でもなーい。 」
ごめんね、ふっか
今の私には聞こえない振りをすることしか出来ないから
焦燥感にかられて飲んだスミノフは
もう生ぬるくなっていて、全く美味しくなかった、味がしなかった
それでも何かを忘れるようにして一気に飲み干す
彼のお陰で少しは、気が楽になったかな、なーんてね
*
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作者名：FON
| 作成日時：2020年7月3日 6時
