《姉弟》 嫌いな弟? ページ9
俺は、ある家族を死んだ弟君と再会させていた。
こんなこと進んでするのもおかしいんだろうな。
でも救ってる気になってしまうんだ。
あの彼氏くんはもう一切顔を見せなくなった。
良かったと思う。本当に
「先生!母がっ!」
「どうしました?」
姉が立って帰ろうとしているのに母は
一点を見つめて立とうとしない。
あの子よりひどい重症だ。
「お母さん!もう帰ろ?
あの子はもういないんだよ!」
「ねぇ、お母さん!」
「いい加減にしてよ!」
「もう知らない!」
姉が必死に呼びかけても聞こうとせず
独り言を言っている。
代償が大きすぎたのかもしれない。
「大変ですね。」
「ああ、お見苦しいところを」
「いえ、もし良ければお母様が落ち着かれる
までお話ししませんか」
「いいですね。家族について聞いてほしいです」
この2人が会いに来た幽霊は、中学生の男の子。
生まれた時から寝たきりだった。
俺は担当してしていなかったが
ある女の子と同室で
時々話をしていて
そこそこ仲が良かった。
「先生は、弟とよく話してましたよね?」
「ええ。元々同室の女の子と知り合いで、」
「そうなんですね、」
「私、ずっと弟のこと嫌いだったんです」
「正確に言えば、弟自体は好きだったんですけど、
どうしても私より優先されて、、」
「それが嫌で、弟の心を傷つけてしまいました。」
「僕には兄弟がいないので分かりませんが
きっと普通のことだと思いますよ」
俺は内科が担当だが別の所にも
顔を出したことがある。
その時、精神科の先生に
子供は親の愛情を必要とし
兄弟に嫉妬することも多いと聞いた。
「だから、自分のことを責める必要は、」
「ありがとうございます。慰めてくれてるんですよね」
「あ、そう感じました?
僕は本気でそう思ってますよ」
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作者名:Lantana x他1人 | 作成日時:2018年8月19日 15時