1204号室の約束

《アイツ》 救えなかった命 ページ15

アイツの母さんが見つかった。

精神的に弱い人らしい。

アイツのために勉強しておこうと思った


手術は2か月後

まだ、大丈夫だと思っていた。

精神科に来て1週間。

アイツの容態が急変したと連絡を受けた。

手術ができない状態だった。

今日明日が山らしい。

『しっかりしろ！この前まで元気だって言ってたじゃないか！』

『にぃちゃん、？また会えた！』

『ゴメンな。にぃちゃん、お前のこと

助けたかった。でも力不足でカッコ悪いよな。』

『そんなことないよ。ボクのヒーローなんだよ？

カッコ悪い訳ないじゃん。』

『ありがとな。にいちゃん頑張るから、

お前も、もう少しだけ頑張れ！』

静かになった部屋に、アラームの音が響く。

『大人になって、

俺とダブルヒーローになるんじゃないのかよ、！』







悲しみに暮れた俺に

部長が話しかけた。

『君には、前のような冷酷さが無くなった。

効率よりも患者さんを考えられるようになった。

それは、狙いどうりだった。』


『しかし、君は1人に肩入れをしすぎた。

両極端だったんだよ。だから

良い医師になれるように

期待しているよ』


『ありがとう、ございます。部長。

ですが、今は、、。』

『ああ、ゆっくり休むといい。』


『ありがとうございます！』

深く頭を下げた。




誰もいない病室。



仕事中にお前を思い出さないよう、

乱暴な言葉遣いも、小児科も辞めた。

ずっと逃げてきた。

ヒーローにはなれなかったよ。



目を閉じ、あの頃を思い出す。


「にぃちゃん！」


本当にリアルな感じだ。

見ただけなのに、涙が出るなんて弱いな。


「なんで泣くの？」

「なんでもねぇーよ！」

「ボク、約束ちゃんと守ってたんだよ！

偉いでしょ？」


「っえ？」

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